ボールを武器に戦うサッカー×ローグライクゲーム「Footgun: Underground」の先行プレイレポートをお届け!

「Footgun: Underground」は、ピクセルアートで描かれた地下鉄が舞台の2Dローグライクゲーム。プレイヤーは、危険な生き物でいっぱいの各駅を生き残り、最奥を目指す。

ランダム生成されるルート、敵に倒されるまで続くアップグレード要素など、ローグライクの定番と言える要素を備えた本作だが、問題はプレイヤーが使う“武器”だ。以下の画像を見て欲しい。

……遊んでいる訳ではない。剣でも魔法でもなく、このサッカーボール(のようなもの)こそが、本作における武器なのだ。

未来のある日、プレイヤーは冷凍カプセルの中で目を覚ます。自分が何者なのかは分からないが、どうやら片脚は機械で出来ており、強力なパワーを秘めているようだ。手元にはボール、目前には恐ろしい生物。まるでお膳立てされたような状況でやるべきはただ1つ、思い切り蹴ることだ。

R1/R2ボタンでキック、長押しでチャージキック(PlayStationコントローラーの場合)が可能。ハイテク技術を備えたボールは、機械の脚で振りぬいても決して割れることは無く、壁や天井を跳ね回る。そして勢いの付いたボールのみが、敵にダメージを与えられる。

注意すべきは蹴る方向だ。スティック入力などで指定はできず、プレイヤーとの位置関係によって決まる。例えば、プレイヤーがボールより上にいる時は下方向、逆の場合は上方向……といった具合。細かく狙うことはできないため、壁や天井での反射も積極的に利用する必要がある。

一応、プレイヤーがキックできる状態では、ボールの飛んでいく方向が矢印で表示される。ただ、互いに高速で動き回っている中、ボールと重なる瞬間に正確な方向を見定めるのはかなり難しい。最初のうちは、フワっと浮いたボールにジャンプキックを合わせる時など、目で追える範囲で参考にするのが良いだろう。

ちなみに、ボールをいくらかコントロールする方法も存在するが、やや玄人向けなので、こちらは後ほど説明する。

地下鉄では、路線図のようなルートを各駅停車の電車に乗って進んでいく。それぞれの駅では、敵が出現したり、ショップを利用できたりと、さまざまなイベントが発生。最奥に待つボスを倒すことで、次のバイオーム(ステージ)へと進める。

使用できるキャラクターは、初期状態では1人だが、ゲームを進めることで開放されていく。ヘルスポイント(体力)やキック力、チャージ時間などの基本ステータスの違いに加え、特殊な能力やボールを最初から持っているキャラクターなど、その種類はさまざまだ。

出現する敵はバイオーム毎に異なり、巨大な虫のような生物からロボットまで、こちらも多種多様。ダメージ床などのギミックも存在する。敵本体や敵の撃つ弾、ギミックを避けつつボールを捉える必要があるので、なかなかに忙しい。

また、2つ以上のボールを使うことも可能。敵が増え、ボールも増えると脳がパンクしそうになるが、とりあえず近いボールを蹴るようにしておけば、どこかに跳ね返って当たってくれることも多い。

敵はボールに加え、キャラクターやボールを強化できるチップをドロップすることがある。これらは各駅の合間に付け替えることが可能。同じものを重ねてさらに強化することもできる。ボール自体にも種類があるため、カスタマイズ性は高いと言っていいだろう。

追加ジャンプが出来るようになったり、ボールの軌道を変えたりと、多彩なチップが存在する。

スペシャルエリアでは、ミニゲームに挑戦できる。制限時間内に全ての的を壊すといったミニゲームは難易度が高めだが、ここで役立つのが、L1/L2ボタンのボールコントロールだ。

短く押すとリフティングのようにその場でボールをキープすることができ、これによってある程度狙った所に蹴ることが可能。長押しすると、ボールをキープしたままドリブルすることもできる。

ただし、リフティングやドリブルができるのは地上だけ。精密な操作が必要な場面では勢いをつけすぎず、コントロールしやすい状態のボールを1つ置いておくのも手だ。

リフティング中はボールの方向を示す矢印が役に立つが、忙しい戦闘中では使いどころが難しい。

ボスとの戦闘では、キャラクターやボールの強化が進んでいる反面、弱点部位以外はダメージが入らなかったりと、よりチャレンジングな内容に。特殊なギミックも満載なので、気を引き締めて挑もう。

本作は非常に難しいゲームだが、ユニークなのは、戦闘における“運”と“実力”の境界線が曖昧であるということだ。遊べば遊ぶほどのめりこんでいき、何度も再挑戦したくなる理由はここにある。

例えば、とりあえず全力で蹴ってみたボールが幾度も跳ね回り、絶好の角度で降ってきた時。ツイているとも言えるが、あくまで蹴ったのは自分で、その位置に移動したのも自分なのだ。本作の中毒性を生み出しているのは、そうした“どちらとも捉えられる成功の連続”であり、プレイを重ねているうちに、運と実力がないまぜになった独自のセンスが磨かれていく。頭より先に体が動くという言葉があるが、センスが極まった時のプレイ感はそれにとても近い。

斬新なコンセプトの中に、確かな中毒性を備える本作をぜひ体験してみて欲しい。

Cobratekku Games is a trademark of BXDXO(R)GmbH


© 株式会社イクセル