「この4月、各局の夕方のニュース番組が様変わりしましたが、夜のニュース番組も含めて慶應幼稚舎出身キャスターの存在感が増しつつあるんです」(制作会社関係者)
新年度を迎え、大幅リニューアルを敢行した情報番組やワイドショーもあったテレビ各局。新体制になって約1か月が経過したが、特に大きく変わったのがフジテレビの夕方の報道・情報番組『Live News イット!』だ。
『イット!』は4月1日から大幅リニューアルを実施。2月にNHKを退局した青井実(43)をMCに迎え、フジテレビの宮司愛海アナ(32)は続投。パックンマックンのパックンことパトリック・ハーラン(53)が「スペシャルキャスター」として週3日レギュラー出演する体制になった。
「新キャスターに就任した青井さんですが、就任前に味噌をつけてしまいましたよね。NHKアナウンサー時代に、上司の許可を得ずに親族企業からの役員報酬を得ていたとして、兼職を禁止する服務準則に基づいて厳重注意処分を受けていたことが明らかになってしまいましたからね。
報酬は全額返金し、役員も退任したとのことですが、青井さんは3月22日に行なわれた就任記者発表の場で謝罪。謝罪なしでは新スタートは切れない空気感が漂っていましたからね。ただ、視聴者層のメインになる女性視聴者、主婦層はお金のことには厳しい。信頼回復には一定の時間がかかりそうですね」(前同)
■青井実の仕事ぶりは評価が分かれる
青井の『イット!』での仕事ぶりには、
《青井アナ、NHK辞めちゃってからどうしてるかなって思ってたけど、イット!の政治ニュース読んでて、久しぶりに見られて嬉しい》
《やはり明るく伸び伸びとした感じの良い態度で顔も童顔で可愛い。視聴者に対しても丁寧で謙虚と言う印象》
とX(旧ツイッター)には好評の声が寄せられている。一方で、
《青井実でなく、他にも実力も人気もあるNHKアナ、何人もいただろうに。フジテレビも、もっとリサーチして良さそうな人を見つけりゃいいのにね》
《NHKから色んなアナウンサーが解き放たれたけどさ。青井実さんだけ…なんか。なんて言うんだろうな。モヤがあるというか》
など、批判的な意見も少なくない。
「原稿もそつなく読みますし、コメンテーターの橋下徹さん(54)ともしっかりとコミュニケーションが取れている。進行役としての実力は確かですね。
ただ、4月8日の放送ではカメラのスイッチミスでしょうが、青井さんがスタジオでスマホをいじる姿が抜かれ、《仕事中(放送中)にスマホ弄るのは駄目だよね》といった声も上がってしまいました。今後はさらに気を引き締めて番組に臨む必要がありそうです」(同)
■高評価の井上貴博アナだが実は“俺様タイプ”か
そんな青井の祖父は百貨店や商業施設を展開する大企業・丸井(マルイ)の創業者。父親は不動産関連会社を経営、青井自身は慶應幼稚舎(小学校)から慶應大学を卒業した生粋の慶應ボーイなのだ。
「TBSの『Nスタ』でホラン千秋さん(35)とともにMCを担当する井上貴博アナウンサー(39)も、青井さんと同じように幼稚舎からの生粋の慶應ボーイですね」(前出の制作会社関係者)
井上アナは2017年4月に『Nスタ』のMCに就任。ホランとの掛け合いも微笑ましく、それを目当てに番組を見ている視聴者も少なくないようだ。また、2022年4月スタートのラジオ番組『井上貴博 土曜日の「あ」』(TBSラジオ)も好評だ。
「ホランさんとともに『Nスタ』をけん引している井上アナ。視聴者からは評判がいいのですが、TBS内の一部では厳しい声も出ているそうです。彼のアナウンス能力、キャスターとしての実力は高く評価されているものの、自信家な面がチラついてしまうといいますね。もちろん努力家でもあるわけですが、強気で“俺様”感が感じられる時もあるそうです。
そして、“安住アナと合わない”とも言われていますね。安住紳一郎アナ(50)といえば、TBSのスーパーエースでトップアナですが、井上アナは安住アナのことを意識しているそうなんです。超えるべき壁、というふうに捉えているのかもしれませんが……」(前同)
井上アナや『Nスタ』に対しては、
《井上アナとホランさんの掛け合い漫才みたいですごく楽しいよね》
《てか、井上アナとホランさんのコンビ、デコボコなんだが、噛み合ってるんだよなぁ》
などの声がある一方、
《井上アナの熱量が鬱陶しいなアナウンサーなのに。どの立場やねん》
《井上アナ原稿読み下手じゃね? いつもこんな感じ?? もっとはっきり喋って欲しい》
といった厳しいコメントもある。
「青井さんにはお坊ちゃん感が漂っており、いかにもバリバリの慶應ボーイ感がある。井上アナにはそれほど慶應ボーイ感がありませんが、男性キャスターで慶應幼稚舎出身といえば『news zero』(日本テレビ系)に出演する嵐・櫻井翔さん(42)もいますよね」(同)
■ジャニー氏加害問題では沈黙……「キャスター失格」の指摘も
櫻井は慶應幼稚舎から慶應大学経済学部を卒業。父親は総務省の総務事務次官、大手広告代理店の代表取締役副社長などを歴任した超エリートでもある。
「2006年の『NEWS ZERO』時代から櫻井さんはキャスターという仕事に真面目に取り組んできましたし、有働由美子さん(55)が卒業し、藤井貴彦さん(52)が新MCに就任した4月以降も続投。日テレも彼を信頼していることがうかがえます。ただ、ジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題が勃発した際には、厳しい批判が寄せられてしまいました」(前出の制作会社関係者)
ジャニー氏の加害問題を受け、2023年5月14日に藤島ジュリー景子元社長(57)が動画で謝罪し、文書で見解を発表。翌日の5月15日放送の『news zero』でも同問題を取り上げたものの、話題に入る前に櫻井が画面から姿を消し、有働だけで進行。
VTRを流したあと、有働が「この件については、番組で話し合って私が話します」「まずは性被害については、被害者のケアを最優先にしてほしい。そして、エンタメを通じてたくさんの夢を見せてきてくれたジャニーズだからこそ、ファンや私たちが迷いなく夢を見続けられるようにしてほしい」などとコメントした。
その後、櫻井は3週にわたって同問題にコメントすることがなかったため、《ジャニーズの問題、櫻井さん話せないならキャスター降りるべき》と批判が殺到してしまった。
「櫻井さんは“当事者”であり、何も語れない状況であったとも言えそうですが、彼の姿勢には、日テレの報道からもかなり厳しい声が出ていましたね。報道のキャスターはどんなときでもコメントをすべきで、コメントできない事務所に所属しているキャスターは報道番組では使うべきではない、といった論調でしたね。
そんな櫻井さん、青井さん、井上アナと慶應幼稚舎出身のキャスターが今、テレビ番組で存在感を増しつつあるというわけです」(前同)
■慶應幼稚舎出身キャスターは夕方ニュースにはミスマッチか
“日本一の小学校”とも称される慶應幼稚舎。初年度の学費は160万円。寄付金や塾債(学校債)を含めると6年間で1000万円ほどもかかることになるという。
民放キー局関係者関係者が話す。
「それでも、入学すれば日本トップの私立大学・慶應大学までエスカレーターで進学できる。卒業生は政治家、官僚、日本トップクラスの企業の経営者や役員、医者、弁護士などエリートぞろい。ですから、慶應幼稚舎出身者だけの特別で強固な人脈を築くことができるんです。
慶應には、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学とあり、途中から受験で入った人と幼稚舎出身者は、外からは最終的には同じ“慶應卒”に見えますが、まったく違うんです。別人種と言ってもいいぐらい、と言われますね。それくらい、幼稚舎出身者は超のつくエリート。
それだけに、幼稚舎出身者が夕方のニュース番組のキャスターをやるというのは“ミスマッチなのではないか”という指摘もテレビ界ではあるんです」
夕方のニュース番組の視聴者は主婦層がメイン。番組ではニュースのほか、企画ものでお得情報、たとえば野菜詰め放題のスーパーやワンコインランチの人気店を紹介するなど、庶民目線の番組作りを目指していることがうかがえる。
「特に、青井さんの『イット!』MC就任をきっかけに“ミスマッチではないか”という指摘が出るようになった感じですが、セレブで超エリートな道を歩んできたであろう人が、庶民目線の番組に適しているのか、視聴者層の気持ちに寄り添った番組作りができるのか、ということが疑問視され始めています。
もちろん、慶應幼稚舎がエリート、セレブといってもそれぞれ差はあり、経済的にも、自分で自由に使えるお金はなかった人、慎ましく育てられた人もいるでしょう。しかし、親族の会社から役員報酬が出ていた青井さんのような、庶民とはあまりにもかけ離れた話が出てきてしまうと、やはり“住む世界が違うのかな”となってしまいますよね。視聴者の側は“この人は私たちの生活を理解できるのか”という気にもなってしまうかもしれません。
慶應幼稚舎出身者は、国や大企業でも極めて重要なポジションにつき、国家、日本経済を動かすレベルの決定を行なっていると言われますが、庶民が視聴者層のキャスターという職業に適しているかと言わられたらどうなのか、という意見がテレビ界で出てきています」(前同)
各方面で活躍するエリートを輩出している慶應幼稚舎だが、キャスター界での評判は100%ポジティブなものばかりではないようだ。