10戦9敗エンゼルス、世界最大の米経済紙までもが酷評「トラウトはまた、凡庸なチームの中心人物に」

エンゼルスのマイク・トラウト【写真:ロイター】

直近10試合で9敗…トラウトが勝利を願っても最下位争いの現状

米大リーグのエンゼルスは、28日(日本時間29日)のツインズ戦に5-11で敗れ4連敗。ここ10試合の成績が1勝9敗という泥沼にはまっている。大谷翔平投手がFAで去り、チームの看板選手はマイク・トラウト外野手ひとりになった。世界最大の米経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」はトラウトがエンゼルスで勝ちたいと願い、とってきた行動の数々を紹介。それでも「向上の兆しを見せない」として球団を批判している。

記事は「6年間ショウヘイ・オオタニとスポットライトを分け合った後、トラウトはまたもエンゼルスの唯一のスターであるかのようにプレーしている。しかし、チームは向上の兆しをいまだ見せない」とエンゼルスの現状を紹介している。

今季も開幕直後はア・リーグ西地区の首位争いに顔を出していたものの、気が付けば最下位アストロズに1ゲーム差まで迫られている。その中でトラウトはすでにリーグトップの10本塁打と自慢の長打力を発揮している。記事はさらに「5盗塁はすでに彼のここ3シーズンの合計に並んだ」と活躍を称える一方で「しかし、たとえMVPの姿に戻ったとしても、トラウトがエンゼルスを引っ張るには十分ではないだろう」と冷静に指摘した。

トラウトは2014年を最後にポストシーズンに進出できていないエンゼルスで勝つことを真剣に願い、オフは大谷が抜けた穴を埋めるための補強をオーナー陣に願い出た。さらに「以前のGMの下では、トラウトは試合後のリカバリー時間を使って、エンゼルスのトップ有望株の毎夜のパフォーマンスをリサーチし、彼らの育成についてGMにメッセージしていたことで知られている」のだという。それでもトラウトの希望がかなえられることはなく、記事は「またしても、トラウトの周りに素晴らしいチームを作ると言う明白な切迫感はなかった」と球団に批判的だ。

トラウトは球団への失望を、グラウンドには持ち込まないようにしているのだという。そして新任のワシントン監督の下で「ワンマンチームのようにプレーしている」と指摘。レンドンの戦線離脱後は主に先頭打者として起用され「最多の打席数を稼ぐチャンスを得たが、またしても無駄なエンゼルスのシーズンの中で、それだけが呼び物になるかもしれない」とも見られている。

記事はそんなトラウトの姿を「センターへと小走りで駆ける中、彼はまたしても才能はあるがスキルを結果に結び付けられない選手たちで大半が構成されたチームに囲まれている」と悲しげに伝える。最後に「トラウトはまたしても、凡庸な、彼がいなければただ単に悪いエンゼルスというチームの中心人物になるだろう」として、才能に見合ったチーム成績を得られないのを惜しんでいる。

THE ANSWER編集部

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