黎智英氏、国安法違反は承知だった

外国勢力との共謀罪に問われた壱伝媒集団の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏の裁判が4月26日に67日目を迎えた。27日付香港各紙によると、弁護側は、黎氏は「中国バブル崩壊」について詳しくはなく、「中国バブル崩壊」を達成するための国際的なロビー活動や禁輸措置や制裁については言及していないと主張。だが5人目の「共犯証人」である陳梓華氏は同意せず、香港版国家安全法が発表されようとしていたとき、彼は黎氏の身の安全に懸念を表明したが、WhatsAppでは国家安全法が主に「外国に制裁を要求する人物」を対象としていることに言及しなかったという。陳氏は「自分は違法と知っており、WhatsAppで自身が法を犯したと話した。当時は黎氏に何かあるのを避けたかった」と述べた。

陳氏は検察の尋問で、黎氏が彼と面会した際、「国際勢力、議会勢力、街頭勢力を結集させ、政府に市民の要求に応じるよう圧力をかけたい」と言及したと証言した。弁護側は、黎氏は当時そのようなことを言っていなかったと指摘したが、陳氏はこれに同意せず、「彼はそう言った」と述べた。陳氏は最初に黎氏に会ったとき、自分は暴力的な抗議活動参加者ではないと断言し、違法行為について黎氏とは合意に達していなかったと指摘した。また黎氏は当時、平和で非暴力的なデモでなくては国際的な支持を得られないとして過激派の影響力を低減させたいと考えていたが、「すべてのデモが平和的で非暴力的にしたいとは決して言っていなかった」と述べた。

陳氏は、黎氏が「米国はデモ参加者による警察への攻撃や公共物破壊などの暴力的な場面を見たくない」と指摘し、メディアの報道現場は「平和的かつ理性的」であるべきとして、自らのメディアの影響力を利用して統制を図ろうとしていたと証言した。ただし黎氏は大規模なデモのみを気にしており、「多少の戦闘を伴う小規模なデモ」については気に留めていなかったという。弁護側は、黎氏が「外国に制裁を求めること」が「香港版国家安全法」に違反することになるとは言わなかったと指摘。だが陳氏は黎氏が「香港版国家安全法」の条項を事前に知っていたとみて、弁護側の指摘に同意しなかった。

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