中国各地の財政収支、好調な滑り出し

中国各地の財政収支、好調な滑り出し

山東省臨沂市郯城県の金融機関で人民元紙幣を数える職員。(資料写真、臨沂=新華社配信/張春雷)

 【新華社北京4月29日】中国の各地方政府がこのほど発表した1~2月の財政収支報告によると、歳入面では、年初以降の経済の回復・上向き基調を受け、多くの地方が全体的に安定した滑り出しを切った。歳出面では、科学技術や消費など重点分野の支出がしっかり確保された。

 1~2月の一般公共予算(一般会計に相当)収入は、北京市、重慶市、吉林省、河南省などの前年同期比の伸び率が全国平均を上回った。うち北京は3.0%増の1280億7千万元(1元=約21円)となり、年度予算の19.7%になり、当初計画より3.0ポイント速いペースだった。北京市財政局の韓傑(かん・けつ)局長は「収入の増加は主に、情報サービス業、科学技術サービス業の急発展による」とし、第1四半期(1~3月)の財政収入も順調な勢いを維持するとの見通しを示した。

 経済が盛んな四川省も安定した滑り出しとなった。一般公共予算収入は3.3%増の1008億1千万元、うち税収は691億4千万元で重要な地位を占め、税収以外の収入は316億7千万元だった。

 1~2月の一般公共予算支出は、内モンゴル自治区が前年同期比38億4千万元増の846億元だった。うち教育・科学技術支出は13.2%を占めた。自治区は今年の当初予算で、科学技術支出を前年比20.0%増としており、予算を低炭素エネルギー、石炭化学工業、バイオ医薬、種子業、砂漠化対策、乳業、希土類(レアアース)、草原産業などの分野に重点的に充てる方針。

 新疆ウイグル自治区は支出ペースが顕著に加速し、1~2月の支出は14.8%増となった。重点分野の支出をみると、2月は農業・林業・水利事業が99.0%増、社会保障・雇用関連が2.5倍だった。

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