米国の学生が中国に戻らなければならない理由―米メディア

米メディアのザ・ヒルにこのほど、「米国の学生が中国に戻らなければならない理由」とするオピニオン記事が掲載された。資料写真。

米メディアのザ・ヒルにこのほど、「米国の学生が中国に戻らなければならない理由」とするオピニオン記事が掲載された。

記事は、新型コロナウイルス感染症の収束後に中国に戻った数少ない留学生のうちの4人の大学院生によるもの。中国メディアの環球時報が要約して伝えたところによると、記事はまず「新型コロナは米中の学術交流を壊滅させた。米中交流は、二国間関係の緊張の高まりを反映して、米国内で政治的議論の争点となっている。この傾向は、米国が中国を正確に分析し、効果的な対中政策を展開する能力を妨げるだろう」とした。

そして「米国の政策立案者は、米中の高等教育交流の活性化に取り組む必要がある。安全保障と経済の課題に対処するには、新世代の『中国通』、つまり中国での経験を持つ十分な訓練を受けた専門家が不可欠だ。今、これらのプログラムに投資することは、将来の対中政策の改善を意味する」とした。

記事は、昨年11月に米サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した習近平(シー・ジンピン)国家主席が、今後5年間で米国から5万人の学生を中国に招待する計画を発表したことに触れ、「緊張した関係により米国の中国に対する熱意が鈍っているが、それによって、文化的理解、言語スキル、直接の経験を維持するという米国の必要が見失われることを意味するべきではない。わたしたちは中国留学のおかげでそれらが可能になった。中国人学生グループとの会話の中で、彼らの多くが10年前なら米国の大学院に進むことを選択していただろうと語った。現在、ほとんどの人が国内の一流大学で博士号を取得したいと考えている。このような直接の会話は、米中関係に対する認識の変化が中国の大学生にも影響を与えていることを浮き彫りにするのに役立った」とした。

記事は「議会や政策立案者は、若い学生の海外留学の機会を否定するのではなく、国益に奉仕する次世代の米中専門家の才能に投資すべきだ」とし、第一に「停止された中国・香港とのフルブライトプログラムの復活」を挙げ、「1979年の最初の交換以来、2016年までに米国から約3500人が同プログラムを通じて中国に派遣され、勉強、研究、教育を行った」「米国の機関と連携した新しいプログラムに投資し続けることが重要だ。ホプキンス・南京センター、デューク昆山、ニューヨーク大学上海などの米中合弁事業は、米国の機関と結びついた中国の数少ないプログラムの一つであり、他の国際学位プログラムと並んで協力を強化する機会を提供している」などとした。

さらに「米国の教育機関は、学期や年間のプログラムを提供するだけでなく、中国への研修旅行や語学学習プログラムもカリキュラムに組み込む必要がある」とし、ハーバード大学ケネディスクールの学生30人がこのほど「チャイナトレック」の伝統を復活させたことに触れ、「この1週間の旅行で学生らは中国について直接見識を深めることができる」とした。

記事は「これらのプログラムや機会は、人数の不足だけでなく、世論調査に反映される否定的な態度によっても圧迫されている」と指摘。「米国の学生とその保護者が、留学を選択する際に、個人の自由、プライバシー、安全について懸念を抱くのは当然だ。しかし両国首脳会談と中国自身の利益を考慮すると、今は米国人が思い切って行動するのに最も適した時期の一つとなっている」とした。

記事は「米国の学生は中国に戻る必要がある。米国の政策立案者は、そのための機会と資金を増やすことで彼らを支援できる。政策立案者が対中政策について意見を一致させているかどうかに関係なく、米国人が中国についてより深く理解しなければ、米国は中国に効果的に対処できないということに誰もが同意できるはずだ。その目標を達成するには、ある程度のお金をかけ、最小限のリスクを取る価値がある」と結んだ。(翻訳・編集/柳川)

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