兵役がある韓国、40年ぶりに五輪出場を逃した裏にある日本との違い…ファン・ソンホン監督が育成変革を提起

パリオリンピックのアジア最終予選を兼ねたU23アジアカップ。

U-23韓国代表は準々決勝で敗退し、1994年以来40年ぶりにオリンピック出場を逃した(1988年大会はフル代表)。

『Daum』は、「“ドーハの悲劇”に見舞われた韓国サッカー界は4年周期理論という新たなテーマに直面した」と伝えている。今大会で韓国を率いたファン・ソンホン監督は、帰国した際にオリンピックチーム強化における課題を提起したという。

「言い訳のようだが、年代別代表チームの運営構造とシステムを変えなければならない。現在のようなシステムでは他の国々と格差がさらに広がる。

年齢別代表チームは4年周期で行かなければならない。アジア競技大会の成績によって監督のクビが左右されるなら、アジア競技大会に集中するしかない。

言い訳になるかもしれないが、オリンピックの準備期間は数ヶ月しかなかった。このような構造では、我々がアジアで相手を完全に抑えこむのは難しいので、システムを変えなければならない」

同紙は「ファン監督は今大会の失敗を振り返り、その原因として長期的な計画の欠如を挙げた。4年周期でオリンピックに備える日本や他のライバル国とは異なり、大会ごと全力疾走を繰り返すだけの現行制度には限界がある」としている。

韓国には兵役があるが、一定の功績を残したスポーツ選手はそれを免除される。アジア競技大会もその対象になっており、韓国は同大会で最多となる6度の優勝を記録。ファン監督も2022年に韓国を優勝に導いた。そのアジア競技大会は2002年大会から23歳以下の選手が対象になったが、同紙ではついてこう指摘している。

「4年周期でオリンピックの準備をするなら、何を諦めなければならないかは明らかだ。年齢層(23歳以下)が同じアジア競技大会が問題になる。

隣国でありライバルでもある日本は、4年周期でオリンピックを準備する国であり、アジア競技大会を足がかりにオリンピックで最高の成績を収めようとしている。

例えば、23歳まで出場できるアジア競技大会に21歳以下の選手たちで出場して経験を積み、2年後にはそのメンバーがオリンピックに出場する図式だ。その結果として、日本が最後にアジア競技大会で優勝したのは2010年大会。

その反射効果で韓国は2014年から3大会連続優勝しているが、同大会がオリンピックと並んで兵役義務が解消される唯一の大会であることも考慮しなければならない。

ホン・ミョンボ監督の下で2010年アジア競技大会(銅メダル)を21歳以下、2012年ロンドンオリンピック(銅メダル)を23歳以下の選手たちで出場した後、現在の方式に戻ったのもこうした背景がある」

兵役免除がかかるアジア競技大会で優勝するために23歳以下のチームで臨んできたが、オリンピックを見越して21歳以下の選手編成で臨む日本らと比べると経験面などに差が出るとのこと。

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ただ、「韓国サッカー界は、ファン監督が指摘した4年周期論に共感しながらも容易ではない選択と評価している」そうで、ジレンマにあるようだ。

AFC U23アジアカップ カタール2024
準決勝
イラク vs 日本
日時:4月30日(月)02時30分キックオフ
配信:DAZNにてライブ配信

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