リオ五輪の銅メダリスト、最年長33歳がまさかの3回戦負け 今後について「いろんな方との相談が必要」【柔道全日本選手権】

選手宣誓を行う羽賀(右)(撮影・冨永豊)

◆柔道 全日本選手権(29日、日本武道館)

体重無差別で日本一を争う大会で、33歳で大会最年長の羽賀龍之介(旭化成)=宮崎県延岡市出身=は3回戦で敗れた。佐藤和哉(日本製鉄)に判定負け。2016年リオデジャネイロ五輪の男子100キロ級銅メダリストで、昨年大会では準優勝に輝いた実力者の敗退に会場もどよめいた。

羽賀は「結果が全てなので。判定が少し割れてましたけど、負けた試合だと思う。内容がどうだったか、などは関係ない。次につながるという年齢でもない」と4年ぶり2度目の日本一への道が断たれたことを潔く受け入れた。

昨年の秋に全日本柔道連盟に強化指定辞退届を提出。強化指定から外れ国際大会の日本代表選考で対象外となり、今回の全日本選手権に照準を合わせて準備を進めていた。それだけに「会社と相談して選ばせてもらって、全てを懸けていきたいと思っていた。本当はいい形で結果を残したかった。準備の部分で悔いはない」と振り返った。

柔道発祥国・日本が誇る最高峰の大会に寄せる思いは熱くて、強い。今回は選手宣誓も行った全日本選手権について「日本最高峰の舞台であり続けるべきだと僕は思う。主力が出ていないとか、五輪代表がいないとか。いろんな見方があると思うが、自分がいて踏ん張ることで見ている人が何か感じてくれたり、後輩たちが絶対倒したいというモチベーションになってくれたりしたら、大会の価値も意味のあるものになるのではと思っていた」。神奈川・東海大相模高、東海大と強豪校を歩んで10代から活躍する柔道家は、心中を吐露すると涙も流した。

今後については「最終的に自分で判断するけど、こればっかりはいろんな方との相談が必要なので。少し考えたい。1年かけて準備をしてきた。いま少しこう…、何て言うのか。達成感という言葉はあっていないかもしれないけど、一つ闘い終えたというほっとした気持ちは正直ある」と神妙な面持ちで話した。

今大会は男子100キロ超級の斉藤立(JESグループ)らパリ五輪代表内定者、5月のアビダビで開催される世界選手権の代表は出場しない。2017年に取りやめた旗判定が復活したほか延長戦は廃止された。試合時間は4分から5分に、決勝は8分に延びる。

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