保守王国・島根の牙城がついに崩されました。
28日に行われた衆議院補欠選挙。島根1区は、立憲民主党の亀井亜紀子さんが自民党の錦織功政さんに勝利しました。小選挙区制となってから、初めて島根で議席を奪われた自民党。候補の錦織さんは有権者から「自民党を変えてほしいというお言葉をいただいた」と語りました。
28日午後8時ちょうど。
「おーーー」
相手候補の「当選確実」の速報を伝えるテレビ画面を見つめていた、錦織さんの支援者たちから、一瞬低いどよめきが上がり、その後、数分間、会場内は静まり返りました。
午後8時ちょうどの、いわゆる「ゼロ当確」。相手候補に、かなりの差をつけられたことの証です。
当選したのは立憲民主党の亀井亜紀子さん、58歳。
自民党新人で公明党が推薦する錦織功政さん55歳との与野党一騎討ちを制し、約2年半ぶりの国政復帰を果たしました。
立憲・亀井亜紀子さん
「1つには自民党の裏金問題に対する怒りがベースにあったと思います。ただ私がずっと演説で訴えてきた、島根県がちっとも良くなっていない、人口減少がすごい勢いで進んでいる、なぜ良くならないのだろうかというその苦しさが私に対する期待に変わったんだと思います。ですからすごく重たい皆様の一票だったと思います」
細田博之前衆議院議長の死去に伴う今回の補欠選挙。開票結果は、亀井亜紀子さん8万2691票。錦織功政さん5万7897票。
9市町村のうち、松江市・安来市など7市町を亀井さんが取り、2万5000票近くの大差がつきました。
きのうは、島根1区を含めて衆議院3つの補欠選挙が行われましたが、東京15区と長崎3区については、自民党は独自候補の擁立を見送ったため、唯一の与野党一騎打ちとなった島根に大きな注目が集まっていました。
敗れた錦織さんは…
自民・錦織功政さん
「元から大変厳しい逆風の中であるということを承知した上で、私は立候補いたしました。その中でなお、私は持てる力をしっかりと振り絞ったところではありましたが、やはり私の力及ばずであったということであります」
「政治とカネをめぐる問題について、自民党を変えてほしいというお言葉をいただいたのと、それ以上にこの故郷・島根の発展に貢献してほしい、課題を解決してほしい、この言葉が多く聞かれたところでありました。私の力が及ばなかったということであると思っています」
自民党派閥の裏金問題に対する有権者の反発は大きく、小選挙区制が導入された1996年以来、保守王国といわれる島根の衆院選で自民が議席を失うのは初めてのことです。
自民・錦織功政さん
「亡くなられた細田博之先生が長く守ってこられたこの島根1区の議席を失ったことの責任を痛感しております」
「私自身、ふるさとの発展に向けた思いは今も全く変わりません。今後については、自民党県連さんや、あるいは後援会の皆さんとしっかりと相談しながら決めてまいりたいと思っております」
