【J2「GW連戦」】清水、鮮やかな4人連携決勝ゴールで首位堅持 クリーンシートも達成でさらなる連勝も(2)

清水の攻撃を引っ張るカルリーニョス・ジュニオ  撮影/原壮史

■清水のエース北川が3試合連続弾!

「超攻撃的」が、上位決戦を制した。

J2リーグ第12節が4月27、28日に開催され、28日、前節まで首位の清水エスパルスは同3位のファジアーノ岡山のホームへ乗り込んだ。この試合の前日に2位のV・ファーレン長崎が勝利したため、清水は暫定で2位に後退していた。岡山との上位対決を制し、再び首位に立つための90分である。

清水はMF乾貴士が2試合連続のメンバー外で、秋葉忠宏監督は前節と同じ11人をスタメンに並べた。4-4-2のシステムで、MFカルリーニョス・ジュニオとFW北川航也が2トップを組む。

清水は2試合連続得点の北川が、この日も前線でしっかりと起点を作り出す。カルリーニョス・ジュニオは中盤へ下りてボールを配球し、入れ替わるように右サイドハーフのMFルーカス・ブラガが中央へ入り込む。左サイドハーフのMF矢島慎也も、サイドに張り出すばかりでなく内側へ入る。彼ら3人が岡山の3-4-2―1のブロックの間でボールを受けることにより、清水は乾の不在を感じさせずに前進することができていた。

30分にはCKの流れから連続して攻撃を仕掛け、ルーカス・ブラガがPKを得る。しかし、カルリーニョス・ジュニオのキックは相手GKスベンド・ブローダーセンにキャッチされてしまう。

清水からすれば嫌な展開である。ここでチーム全体が奮起した。

34分、CB高橋祐治が相手1トップのグレイソンへの縦パスを、敵陣まで食いついてカットする。すぐそばにはMF中村亮太朗がいる。グレイソンにキープされたら挟み込めるポジションを取っていた中村へ、高橋がボールをつなぐ。

中村は北川へ縦パスを入れると、北川はカルリーニョス・ジュニオとのパス交換で4人の相手選手を揺さぶり、ペナルティエリア内ほぼ正面から右足のワンタッチシュートでゴールネットを揺らした。チームが掲げる「超アグレッシブ」な守備から、エースが鮮やかな先制点をゲットしたのである。

■システム変更で5度目のクリーンシートを達成

9節から3連勝を飾っている清水だが、10節のいわき戦、前節の仙台戦はともに3対2のクロスゲームだった。いわき戦では80分、仙台戦では90+4分に失点している。ホームの岡山が攻撃のギアを上げてくる後半は、2点目を狙いつつ相手の攻撃をしのげるかどうかがポイントになる。

岡山が54分に2枚替えをすると、秋葉監督がすぐに反応する。矢島に代えてDF原輝綺を投入する。ほぼ2か月ぶりのリーグ戦出場となる原の投入により、システムを4-4-2から3-4-2-1へ変更した。

同じシステムでぶつかり合うミラーゲームとしたことで、目前の敵をいかに剥がすか、いかに抑えるのかが重要となっていく。秋葉監督は68分にカルリーニョス・ジュニオとルーカス・ブラガを下げ、MF松崎快、MF西原源樹を送り込む。2シャドーを入れ替えて攻撃の圧力を強めつつ、守備に穴を空けずに試合を運んでいった。

清水は1対0のまま試合をクローズさせ、連勝を「4」に伸ばした。勝点27の長崎をかわし、勝点28で首位を守っている。

クリーンシートは9節のヴァンフォーレ甲府戦以来で、シーズン5試合目だ。上位陣のなかでは失点が多いだけに、このまま守備力を改善していきたいところである。

試合後のフラッシュインタビューに応じた秋葉監督は、上位対決を制してことを評価しつつ、次節へ意識を向けた。

「まだまだ連戦が続きますから、この勝ちを大きなものにするために、あと2つ連戦を勝ち切ることで、今日の勝利が意味を持ってくる」

ゴールデンウイークは5月3日に13節、同6日に14節が組まれている。清水は栃木SC、ザスパ群馬との連戦だ。栃木は16位、ザスパは最下位に沈んでおり、連勝をさらに伸ばすことで首位固めといきたいところだ。

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