観光船沈没事故から2年 知床で小型観光船の運航始まる 新たなルール、安全対策導入

斜里町ウトロでは知床半島での小型観光船の運航が始まっています。

2年前の沈没事故を受け新たな安全対策が導入されました。

アナウンス)

「段差があるのでお気をつけください」

小雨が降る中、観光船に乗り込む家族連れなどの観光客。知床半島の斜里町ウトロで小型観光船の運航が始まりました。

櫻井靖大記者)

「いま出航に合わせてもう一隻も見守りのために出航しました」

2年前の4月。ウトロから単独で海に出た観光船が沈没事故を起こし、20人が死亡。

いまも6人が行方不明のままです。これをうけ、ウトロでは複数の観光船業者で出航の判断をするようになりました。

また、もし事故が起きても速やかに救助できるよう、複数の船で海に出るルールを設けています。

東京からの観光客)

「事故の後も運航会社さんもいろんな取り組みしていると思うので特に心配せずに来ました」

オーストラリアから観光客)

「美しい、この自然が大好きです」「いままでたくさん船乗っているが、危険とは感じない」

さらに今シーズンからは新たな安全対策を追加。乗客に配られた緑のボタンがついた専用の端末。ボタンを押すとGPSを使った位置情報をリアルタイムで発信し、近くにいる船に救助要請ができます。

よびもり千葉佳祐社長)

「新しい取り組みなので無料で始まっている、随時対応する観光船事業者を増やしていきたい」

知床半島の雄大な景色を楽しむことができる観光船。今シーズンの運航は10月下旬までを予定しています。

ゴジラ岩観光神尾昇勝さん)

「私たちは安全に乗せて帰ってくるのが使命」

「お客さんが来ていただかないとこの地域は活性化されない。少しでも戻れば」

沈没事故から2年。安全対策を積み重ねながら、今年もこの季節に、知床で観光船の運航が始まりました。

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