ソフトバンク長谷川威展がプロ初勝利 劇的結末で転がり込んだ白星に「強運の持ち主だと思う」 登板機会少ない中での好投を首脳陣も賞賛

プロ初勝利を挙げナインから祝福される長谷川(撮影・西田忠信)

◆ソフトバンク5×―4西武(29日、みずほペイペイドーム)

昨オフの現役ドラフトで日本ハムから加入したソフトバンクの長谷川がプロ入り初勝利した。

思わぬ形で勝ちが転がり込んできた。2点ビハインドの9回にマウンドに上がり3人でぴしゃりと抑えると、その裏に柳田の3ランで逆転サヨナラ勝ち。「いきなり舞い込んできた初勝利だったので、なんか実感はあんまりないけど嬉しい。強運の持ち主だと思う」と戸惑った様子だった。

リーグ屈指の強力な中継ぎ陣の中で登板機会が少ない。今季の登板は3試合のみで、前回投げた21日のオリックス戦(ペイペイドーム)は、前の登板から13日空いていた。今回もそこから中7日での登板。そんな中でも「変に空いてるとかを考えないようにしてるのと、時間を使ってでも一球一球しっかりと丁寧に投げるのが必要だと思っている」と役割を全う。まだ失点を許していない。貴重な左腕の活躍に、倉野投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターも「なかなかできることじゃない。ほんとよくやってくれてるなと思う」と賞賛の拍手を送る。

限られた機会で結果を残す選手がいることが、今季の常勝にもつながっている。「少ないチャンスをしっかりとものにしていくのを継続していったら登板も増えていくと思う。継続が一番」。静かなる闘志を燃やす左腕は、次のマウンドに向けて準備を怠らない。

ホームランテラスに飛び込んだ記念球は、スタッフが回収して手元に戻ってきたといい家に飾るという。(大橋昂平)

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