那須烏山・横枕青年団 6年ぶりに「どろリンピック」開催 子供ら100人、笑顔で汗

田んぼを駆け回り、水しぶきをあげる参加者ら

 【那須烏山】横枕地区の活性化を目指して10年以上活動する有志団体「横枕青年団」は29日、水を張った田んぼで競走などを楽しむ「横枕どろリンピック」を同地区で開催した。新型コロナウイルス禍で活動の縮小を余儀なくされていた青年団。6年ぶりに開いたかつての恒例イベントでの参加者の笑顔に、団員らは「励みになる。今後も続けたい」と口をそろえた。過疎化が顕著な同地区のため、青年団が本格的な再スタートを切った。

 初夏を感じさせる陽気になったこの日、市内外の参加者約100人は、田んぼ中央付近に置かれたボールに向かって競走するなどし、全身に泥水を浴びていた。さくら市上松山小1年小島晴翔(こじまはると)さん(7)は「走りづらかったけど、楽しかった」と汗を拭った。

 青年団は地区の若手有志らで2010年に結成。現在は市内外の20~40代の男女11人で活動する。コロナ禍前まで、どろリンピックや打ち上げ花火大会などを開催しており、掛札研輔(かけふだけんすけ)団長(39)は「横枕で多世代が交流できる機会として、地域に必要とされていた」と振り返る。

 コロナ禍で、多人数が集まるどろリンピックは中止となり、花火大会は事前告知なしでの打ち上げとするなど、順調だった活動に歯止めがかかった。

 青年団の事務局長澤村和彦(さわむらかずひこ)さん(47)は「寂しい思いが大きかった」と吐露しつつ「『青年団の活動、すごいよね』という応援の声も改めて聞けた」と語る。

 この日のイベントは盛況に終わり、澤村さんは「応援してくれる人がいるから団を続けられる。この光景も関わってくれるみんなのおかげ」。掛札団長は「誰もが楽しめるイベントをこれからも開きたい」と目を細めた。

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