63年ぶりの連続歓喜にソフトバンク小久保監督「映画でもちょっとくさすぎるぐらい」 2500勝目の節目も重なる

9回2死一、二塁、右中間へ逆転サヨナラ3ランを放ち歓喜の柳田(手前右)(撮影・星野楽)

◆ソフトバンク5x―4西武(29日、みずほペイペイドーム)

打球が満員の右中間テラス席に飛び込むと興奮とスタンドの歓声は最高潮に達した。2点ビハインドの9回2死一、二塁。柳田悠岐が3ランで決着をつけた。「久々に興奮した。ありがたいっすね、野球やっててよかったっす」。主砲が〝ギータ節〟で余韻に浸った。

「映画でもちょっとくさすぎるぐらいの展開」。3試合連続のサヨナラ勝ちに小久保裕紀監督の声も震えていた。西武先発の髙橋光成を前に6回まで1得点に抑え込まれた。

「はっきり言って負けゲーム」と指揮官も認める中、7回に代打で出た育成出身の仲田慶介がプロ入り初安打を放つなどして1点を返して逆転ムードをつくると、9回にここまで無安打だった主役が西武の守護神・アブレイユを打ち砕いた。「なんとか必死にヒット打ちたいなという気持ちでいったけど、たまたま引っかかった」と振り返った。

プロ初白星が付いた移籍1年目の長谷川威展らリリーフ陣の好投も大きかった。倉野信次投手コーチも「場面関係なく緊張感を持ってやってくれてるのがこういう結果につながってる」とたたえた。

3試合連続のサヨナラ勝利は南海時代の1961年以来、63年ぶり。89年に福岡に本拠地を移してから2500勝という節目も重なった。くさいまでの演出にしてみせた柳田は「今まで積み上げられた先輩方の数字だと思うので、1勝ずつ増やしたいなと思う」。一戦必勝の姿勢が執念の白星を呼ぶ。(大橋昂平)

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