大田原・国史跡の下侍塚古墳 「日本一美しい」姿が田植え前の水面に

東側水田の水鏡に映る下侍塚古墳

 【大田原】「日本一美しい古墳」といわれる湯津上の国指定史跡下侍塚古墳の姿が、東側水田の水鏡に映し出されている。

 田植えの前の水を張った時季、晴れて、風がなく水面が穏やかになると整って見られる。29日朝は条件がそろった。

 古墳は4世紀の築造とされる。江戸期には徳川光圀(とくがわみつくに)の命で日本考古学史上初の学術的発掘調査が行われ、いにしえの移ろいを感じさせている。松が植えられた姿の美しさで知られる。

 古墳の保護活動に当たる地元の侍塚古墳松守会の平野精一(ひらのせいいち)さん(84)は「歴史に思いをはせられる原風景です」と語った。

 水鏡の田んぼは5月4日ごろから、田植えが行われる。

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