保守王国・島根での自民敗北 岸田総理の解散戦略に影響は? 石破茂元幹事長が総裁になる可能性は?

28日に投開票が行われた衆院補選。自民党は島根で歴史的敗北となりました。この結果は、岸田総理の政権運営に大きな影響を与えそうです。
そして気になるのが石破茂元幹事長。次期総裁への可能性は?

TBSテレビ政治部の室井デスクは、保守王国・島根で自民候補が敗れたことは、今後の岸田政権の命運を大きく左右すると指摘します。

TBSテレビ政治部 室井祐作 デスク
「島根県は2009年の政権交代の時ですら自民党は議席を守ったんです。保守王国と言われている島根1区で、しかも、午後8時の段階で立憲候補に当確が出たということは非常に大きな意味を持つと思います。
特に、細田前衆院議長は、安倍派の元会長として「政治と金の問題」「裏金問題」のキーマンの1人というふうに見られていました。ですので、今回の島根1区の補欠選挙も、この政治とカネの問題が大きな争点の一つとなってしまったわけです。
これがやはり、岸田総理の今後の政権運営の命運が大きく左右するのではないかというふうに見ています」

今回、島根1区だけでなく、東京15区、長崎3区でも立憲民主党が圧勝し、自民党は全敗。この結果が、今後の政権運営に与える影響とは?

TBSテレビ政治部 室井祐作 デスク
「政権運営には大きな影響が出てくると思います。特に、直近で言いますと衆議院の解散総選挙のタイミング。これについて岸田総理は相当悩まれると思います。
岸田総理としては、9月末の総裁選挙に向けて、それよりも前に衆議院の解散総選挙をやりたかったというシナリオを描いてたと思うんですけれど、今回三つの補選で全敗したということで、これでは6月、7月の解散総選挙はもう難しいんではないかという声が上がってくるのは必至だと思います」

岸田総理の責任を問う、いわゆる「岸田おろし」が始まる可能性も。
そこで気になるのが、石破茂元幹事長の動向です。

TBSテレビ政治部 室井祐作 デスク
「石破さんが次、総理になる可能性というのが若干出てきたかなというふうに見ています。といいますのも、派閥が存続していれば、石破さんに対して好意的に見ていなかった派閥、具体的に言えば安倍派だったり麻生派、この二大派閥が、今までは石破さんに対しては票を入れなかったということもありますので、この派閥が解消したということは議員個人の判断に委ねられるということになってきます。
ですので、特に選挙に弱い自民党の若手、中堅の人は、知名度の高い、人気の高い石破さんに票を入れたいという心理が働く可能性が出てきていますので、派閥のしがらみがなくなったということで石破さんの可能性も少しは出てきたのかなというふうに思います」

総裁選に立候補する場合、必要となる推薦人を20人集められるか、そして、「国会議員票」をいかに獲得できるかが課題になるということです。

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