「ママ友はいつも楽しそう…」40代の焦り・虚しさへの正しい対処法は?【カウンセラーが解説】

専業主婦でも働いている人でも、40代になると焦りや虚しさを感じる時期が来るものです。「中年の危機」をどう乗り越えるべきか、そのヒントをご紹介します。

Q. 40代主婦。ママ友を見て、焦りや虚しさを感じてしまいます

Q. 「子育て中の、40代の専業主婦です。最近、復職したママ友と話したり、自分でサロンを開いた友人のSNS投稿などを見たりすると、何とも言えない焦りや虚しさを感じてしまいます。今、仕事を始めたりする余裕はありません。どう気持ちに折り合いをつけるべきでしょうか?」

A. 焦って仕事を探すより、じっくりと自分らしい生き方を見つけましょう

質問者の方は専業主婦とのことですが、40代で焦りや虚しさを感じるのは、主婦に限ったことではありません。40代は仕事をしている人を含め、誰でも、ふと「焦りや虚しさ」を感じる年齢とも言えます。 この現象は一般に、「中年の危機」(ミッドライフ・クライシス)と呼ばれるもので、中年期に訪れる精神的に不安定な状態を指します。 仕事が充実しているように見える人でも、40代になれば、慣れた仕事からの異動を余儀なくされたり、昇進によるストレスを抱えたり、同輩が少なくなって孤独に感じることもあるでしょう。 年齢による疲れや、更年期に近づくことによる体調不良を感じる方も多いかもしれません。さらに、自分ではコントロールできない出来事をきっかけに、中年の危機に陥ることは決して珍しくありません。 「中年の危機」から脱する方法は、本当に人それぞれで、すぐにスッキリ解決できるような方法はありません。ですが、同じ立場の人や先輩、カウンセラーなどの専門家に相談してヒントを得られる人もいます。 新しい物事にトライしたり、興味のあることに没頭することで、自分なりの答えを見つけられたという人もたくさんいます。 人は、「中年の危機」で訪れる焦りや虚しさを乗り越えていく中で、いっそう深みと厚みのある人格に成長していくものです。大切なのは、決して焦らずに、「少しずつでも、前を向いて動く」ということではないでしょうか。 「前から少しやってみたかった」「自分に合うかも」という思いをきっかけにして、気になることを試しながら、気長に自分らしい生き方を見つけていこうとする姿勢が大切です。

大美賀 直子プロフィール

公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。 (文:大美賀 直子(公認心理師))

© 株式会社オールアバウト