――「Mainstream」の大ヒットをどう感じていますか?
SOTA:単純に僕たちがカッコいいと思ってきた音楽を僕たちが感じるままに今の時代に発信した曲です。それを“カッコいい”とシンプルに思ってもらえたのが嬉しいですね。僕たちもライブやテレビでこの曲のカッコよさを表現しきれた手応えがありますし、想像以上に幅広い世代の人たちが楽しんでくれた。
RYUHEI:僕たちがやりたかったものを素直に出した曲を多くの人が受け入れてくれたので、また次の一歩に踏み出すための自信に繋がった気がします。
JUNON:楽曲制作に自分たちが携わる中でライブの演出も考えながら作っていたところもあって、その結果、より濃いライブができるようになったと思います。自分たちの意見をもとに作っていったアリーナツアーとドーム公演にも繋がっていると感じます。
――初のドーム公演は1曲目の「Gifted.」オーケストラバージョンから動きや歌がすごくドラマティックに感じられました。
SHUNTO:どの大きさの会場でも一人ひとりと対話するために音楽を鳴らしているので、会場が大きくなった分、無意識にそこまでの積み重ねが出てそう見えたのかなって思います。
RYOKI:音響面で不安があったんですが、初日の朝にメンバーみんなで一番後ろの席まで行って音を聞いてみたらちゃんと聞こえたので、届けようと思えば届く環境なんだなって安心したと同時に、あとは僕たち自身の力量だなと思いました。そこで気を張らずに、いつもと同じようにそこにいる人全員に届けられる自信を持ってステージに立てたと思ってます。
RYUHEI:僕たちの中でドームの景色が見え始めた時に、ドームの1曲目で披露するために、ライブで「Gifted.」を封印しました。その強い意志があったからこそ、本番ですごくエモーショナルな気持ちになりました。
SOTA:オーケストラバージョンになったということ以上に、久しぶりに披露された「Gifted.」が、感情的な部分に訴えるものが大きかったのかなと思います。他にも「Kick Start」にオーディション時の他の曲が混ざっていたり、いろいろな物語が詰まったライブだったと思う。
MANATO:立川の初ワンマンと同じ演出の「Gifted.」から始まって、今までの3年間が詰まったライブ。それに加えて、最後にまだ誰も聴いたことのない新曲の「Masterplan」をやることで次の僕たちに対する期待感を煽れたと思っています。
RYUHEI:「Masterplan」は「New Chapter」とはまた違うBE:FIRST色の出た“和のヒップホップ”を目指しました。ヒップホップのリズムやBPMの速さによって和楽器をうまく調和させている(Ryosuke“Dr.R”)Sakaiさんのトラック技術がすごいなって思いましたね。
LEO:以前から和のテイストの曲をやりたいって話してたんです。それに曲を初めて聴いた時のメンバーの感触もすごく良くて。一番大事なのは自分たちが納得できる曲であること。今回もそういう曲になりました。
――ドームではRYUHEIさんとSHUNTOさんが作詞した「Set Sail」もバンド演奏で初披露されましたね。
MANATO:ライブ映えする曲ですよね。いろいろなフェスを乗り越えてきた僕たちなら、あの曲でバンドの演奏に負けない声の響きを体感してもらえるんじゃないかなって思いました。
SHUNTO:これまでは自分が存在するストーリーを描いてリリックを書いてきましたが、今回『ONE PIECE』の二次元の海と船とキャラクターたちを浮かべて書いたのが面白かったです。
RYUHEI:僕のイメージ的に『ONE PIECE』って途中で絶対逆境に遭うので2番の歌詞でそれを表現したかったんです。まだ欲しいものがあるっていうことを表したくて「新世界でたったひとつの~」っていうリリックを書きました。
全員:(意味を知り感心した反応)
MANATO:へえ! そうだったんだ。
RYUHEI:…伝わってなかったみたいなんでもう一回アーティストやり直します!(笑)
SOTA:俺には伝わってたよ!
RYUHEI:ありがとう!
SHUNTO:俺、東京ドームで「Buster」の後、地味に「Call」って言ってた。
全員:「え!?」「そうなの?」
SHUNTO:誰も気づいてくれなかった(笑)。
RYUHEI:「呼び覚まされたBuster Call」…、ヤバい!(笑) 次は意識して聞こう。
SOTA:俺、そこめっちゃ息吸ってるから何も聞こえない(笑)。
――初披露のドームライブでそういう遊びの利いたアレンジができるのもすごいですね。
MANATO:強心臓。あり得ないです。
SHUNTO:あり得ると思う(笑)。
――7人とも初ドームとは思えないほど音楽と自由に一体化していると思いましたが、なぜそれができたんだと思いますか?
RYOKI:7人それぞれが自立した人格を持った自由人で、それぞれの“アーティシズム”がふんだんに発揮された集合体がBE:FIRSTだからだと思います。
RYUHEI:確かに! ライブやってて思うけど、全員やりたい時にやりたいことやってるよね。
RYOKI:やりたいことやっても浮いて見えないのがすごく面白い。バランスが自然ととれてるし、7人全員が輝く瞬間が毎ライブちゃんとある。
LEO:東京ドームに弱気にならなかったのも大きいと思いました。これまでしてきた努力が間違ってなかったってことが証明されたライブ。みなさんの支えがあったからこそ努力してこられたし、毎ステージ命がけでやってきたことがあのライブに繋がった。よく“ドームには魔物がいる”って言いますけど、魔物を感じないぐらい7人の結束力が強かった。
RYOKI:でもそういえば、立川の時と同じような現象が起きたんだよね。立川では「Gifted.」で幕が開く直前に僕の右目のコンタクトが取れてしまって、ダッシュでトイレ行って戻したんですけど、今回は直前に左耳のイヤモニが取れたんです。
MANATO:目の次は耳かみたいな(笑)。
RYUHEI:あの瞬間、RYOKIくん終わったなって思った(笑)。
LEO:俺は立ち位置的に「大丈夫!?」ってRYOKIのほうを覗いてた。
JUNON:全員立川がフラッシュバックしたよね(笑)。でもPAさんが飛んできて、扉が開くギリギリで交換できた。
RYOKI:だから、魔物はいたんですけど、ライブ前に7人で倒しました(笑)。
――(笑)。最後に、いまメンバー内で流行っていることを教えてください。ちなみに1年前の取材ではRYUHEIさんの物真似シリーズをみんなで見ること、でした。
RYUHEI:え、つまんな!(笑)
SHUNTO:物真似ブームの時期だ(笑)。
SOTA:俺らもう全然違う次元いってるよね。
LEO:流行ってることは何個かあるので今からドラフト会議をやって厳選します!
全員:(しばしの話し合い)
LEO:どすこいゲームとけん玉です!
JUNON:どすこいは空き時間があればやってるよね。何も必要ないから便利。
SHUNTO:語彙力も上がるからめっちゃいいよね。
LEO:BE:FIRSTはそれを7人でできるところが素敵だなと一歩後ろから見てて思います。
JUNON:後ろから見てるの?
MANATO:7人なのに自分入ってないやん(笑)。
LEO:もうひとりの俺がね。
RYUHEI:LEOくんが先生みたいになってる(笑)。
ビーファースト 2021年11月、『Gifted.』でデビュー。NHK紅白歌合戦に2年連続出場。「Masterplan」や「Set Sail」を収録したコンセプトシングル『Masterplan』が発売中。
※『anan』2024年5月1日号より。写真・伊藤彰紀(aosora) スタイリスト・安本侑史 ヘア・大城祐樹 メイク・千葉彩子 巻野夏帆 取材、文・小泉咲子 鈴木恵美 小松香里 撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY
(by anan編集部)