星空の絶景スポットへ! “星のプロ”が教える観測のコツ4つ

最近、星空を眺めましたか? 絶景の星空を楽しむコツを押さえよう!

都会に住んでいると、不思議と見上げる機会も少ない“星空”。たまには広い星空を眺めることで、感動したり、心が洗われたりするのではないでしょうか。

場所を変えれば、より満天の星に出合うことができます。例えば、沖縄はそのひとつ。なかでも沖縄本島の南西およそ300kmの場所にある離島、宮古島は緯度の関係や都市の灯りが少ないという好条件から、特に美しい星空を見ることができる場所として知られています。旅に出かけるならぜひ押さえておきたいスポットです。

そんな絶景の星空を眺めに行くなら、より楽しめるコツを押さえておきましょう。

今回は、今年3月から、沖縄宮古島の絶景リゾート「シーウッドホテル」が提供を開始した『スターゲイジング[星空観測]ツアー2024』で、星空観測のガイドを務める“星のおじさま”ことNOBBY池田さんに、星空観測の楽しみ方やコツを教わります。

星空観測をより楽しむコツ4つ

池田さんはハワイ島公認のネイチャーガイドで、ツアーでは天体望遠鏡などを使いながら、惑星や誕生日の星座、天の川銀河などについて解説してくれるのだそう。その知識の一部をぜひ教えてもらいましょう!

1. 満月や名月の時期を避ける

池田さん 満月や名月の時期を避けること。月の明かりは星の輝きを消してしまうからです。星を見るためには、最も月灯りが暗くなる新月の時期を狙って旅行計画を立てましょう。

2. その年の天文現象を知る

池田さん その年の天文現象を調べましょう。ペルセウス座流星群、ふたご座流星群などは気象条件さえよければ、高い頻度で流星が望めます。そしてなんといっても天の川。あれほど綺麗なものはありません。天の川を楽しむのにベストな時期はその年によって変わるので、ぜひおじさまにお問い合わせを。

3. 北極星の位置の違いを楽しむ

池田さん 北極星の位置を覚えておくと楽しいですよ。動かない星と呼ばれる北極星が教えてくれるのは緯度。例えば宮古島は北緯24度に位置しますから、北極星は水平線から24度上がったところに光ります。東京なら35度。札幌で43度です。つまり、札幌と宮古島では北極星の位置が19度、東京でも11度異なるので、見ている星や星座の位置がまるっきり変わるんです。自分たちが暮らす日本列島はこんなにも南北に長いのだということを、星の位置で感じることができますよ。

4. 星の名前や語源を楽しむ

池田さん 星の名前や語源を知っておくと面白いですよ。例えば、有名アーティストの曲名でも知られる「スピカ」はおとめ座の1等星。大地と農耕の女神デメーテルが持つ、麦の穂にあたる星です。

スピカはギリシャ語で「麦の穂」を意味します。先端がギザギザしていることから「尖っているもの」という意味も持っています。

スピカを英語読みすると「スパイカ」。転じて「スパイク」という言葉が生まれました。野球選手が履くスパイクは、裏が金具でギザギザしていますよね。実はおとめ座のスピカが語源となっているんです。

東京では絶対に見られない星座とは?

ーー星空観測を楽しむコツを知ると、実際に星空を眺めたくなってきますよね。ところで宮古島では東京では絶対に見られない星座があるのだそう!

池田さん 宮古島は東京より南の空が11度上がることから、本州では見ることのできない星や星座を楽しむことができます。その代表的な星座がみなみじゅうじ座。サウザンクロスという名称でもおなじみの、十字架の形の星座です。現在は国際的に全天の星座は88星座と定められていますが、そのなかで最も小さいんですよ。

南に十字架があれば北にも十字架があります。はくちょう座で、ノーザンクロスとも呼ばれます。6月後半の宮古島では一定の時期だけ、沈み行くサウザンクロスと上がったばかりのノーザンクロスを同時に見ることができるんですよ。

みちのくの文豪、宮澤賢治が書いた名作「銀河鉄道の夜」は、カムパネルラとジョバンニという2人の男の子が銀河鉄道に乗って北十字から出発し、天の川沿いを南十字に向かって旅をする物語です。その星の世界を、宮古島でご体験ください。

ーー星空はただ「綺麗」で終わらせるのはもったいない! 知識を持てば、楽しみが広がるものなんですね。ぜひ宮古島への旅をはじめ、星空の絶景スポットへの計画を立てましょう!

Information

<教えてくれた人>
“星のおじさま” NOBBY池田(ノビー・いけだ)さん

2000年にハワイに移住し、ハワイの最新情報などを放送配信するため『STUDIO RIM』を創設。ネイチャー・ガイドの資格を得て「マウナケア山ネイチャー・ツアー」などのツアー・ガイドに。学んだ天文の知識を現在は本ツアーで活かしながら魅力を伝えている。

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