坂本龍一/ボブ・マーリー/ジョン・レノンなど、偉大なる音楽家の人生を辿る映画5選

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)の大ヒット以降、ミュージシャン自身の人生を追った映画が数多く制作され、今年5月には、日本や世界中で活躍した音楽家に焦点を当てた映画が目白押し。偉大なるレジェンド音楽家たちの人生に思いを馳せる5作品を紹介する。

★『Ryuichi Sakamoto | Opus』
2023年3月に逝去した音楽家の坂本龍一。闘病生活を続けていた彼が最後の力を振り絞り演奏したソロ・コンサートを記録した、最初で最後の長編コンサート映画が公開される。撮影は、2022年9月の東京・NHK 509スタジオで行われ、坂本のためにカスタムメイドされ、長年コンサートで愛用したヤマハのグランドピアノだけで臨んだ。名曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」から初めてピアノソロで演奏された「Tong Poo」まで、坂本が選曲した20曲で構成され、鍵盤を奏でる指と息遣いが感じられる。坂本自身が確認・承認し、入念なポストプロダクションを経て完成した。

2024年5月10日(金)より全国公開
(109シネマズプレミアム新宿にて先行公開中)
(C) KAB America Inc. / KAB Inc.

★『ボブ・マーリー:ONE LOVE』
ジャマイカで生まれ、わずか36歳で夭折したボブ・マーリー。全世界アルバム売上7,500万枚以上を記録し、没後42年を経ても彼の歌声は世界中の人々に希望を与え続ける。彼の何が人々を惹きつけるのか? 彼が人生を懸けて伝えたかったメッセージとは? 妻のリタや息子ジギーら家族、ザ・ウェイラーズのメンバーなど、当時のボブを知る人々が製作に深く関与している。「One Love」や「No Woman, No Cry」などお馴染みのナンバーに加えて「Three Little Birds(3羽の小鳥)」「Redemption Song」「Get Up, Stand Up」「Is This Love」など、数々のナンバーが余すことなく使用され、劇中では名盤『エクソダス』の知られざる制作過程も描かれる。

2024年5月17日(金)より全国公開
(C) 2024 PARAMOUNT PICTURES

★『ジョン・レノン 失われた週末』
ザ・ビートルズのファンには周知の事実である、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた「失われた週末」と呼ばれるプライベートな日々。ジョンとヨーコの個人秘書で、プロダクション・アシスタントを勤めていた中国系アメリカ人のメイ・パンは、その時期、ヨーコの強い希望でジョンと過ごしていた。ジョンの名曲の数々や貴重なアーカイブ、メイ本人が語るジョンとの忘れがたい日々の回想によって、50年の時を経て、18か月間の真実が明かされる。

2024年5月10日(金)より全国公開
(C) 2021 Lost Weekend, LLC All Rights Reserved

★『シド・バレット 独りぼっちの狂気』
ピンク・フロイドを創った男として、初期には活動の中心でありながらも、5年あまりで表舞台から姿を消し、ピンク・フロイドのインスピレーションの源としてロック史に名を刻むシド・バレット。多数の証言と記録映像、幻想的な映像パートを通して、ゴシップ誌の見出しを飾ることも多々あったシドの狂気と天才の真相に迫る。監督と聞き手を務めたのはシドの旧友にして、レッド・ツェッペリンやブラック・サバス、そしてピンク・フロイドのアートワークでも名を馳せたアート集団「ヒプノシス」のストーム・トーガソン。トーガソンの死後、映像作家のロディ・ボガワが意志を引き継いだ。

2024年5月17日(金)より全国公開
(C) 2023 A CAT CALLED ROVER.ALL RIGHTS RESERVED.
(C) Syd Barrett Music Ltd
(C) Aubrey Powell_Hipgnosis

★『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』
日本の音楽史を変えた先駆者の加藤和彦にフォーカスした初めてのドキュメンタリー映画。作曲家、プロデューサー、アレンジャーと、いくつもの顔を持ち、加藤が手がけたアーティストや楽曲は数えきれない。まだネットもSNSもなかった時代に、若者世代が支えていた深夜ラジオから日本全国へ人気が広まったザ・フォーク・クルセダーズの一員であり、ピンク・フロイドやロキシー・ミュージックを手がけたプロデューサーのクリス・トーマスが自らプロデュースしたいと名乗り出て、日本よりも先にイギリスで評価されたサディスティック・ミカ・バンドのリーダーで、YMOの参加を得て、加藤作品の金字塔と呼ばれたヨーロッパ三部作に代表されるソロ・アーティストの加藤の輝かしい軌跡を追う。

2024年5月31日(金)より全国公開
(C) 2024「トノバン」製作委員会

© 株式会社阪神コンテンツリンク