スロット監督はリヴァプールでどうなる?「オランダリーグで優勝した名指揮官6名、英国でどうなったのか」

リヴァプール監督に就任する可能性が濃厚になったと言われるアルネ・スロット氏。これまでAZアルクマールやフェイエノールトを率いてエールディビジでインパクトを残してきた指揮官が、イングランド・プレミアリーグに進出するかもしれない。

ただ、オランダ・エールディビジで活躍したストライカーはあまり信用できないと言われることもあり、他のリーグで同じように通用するかどうかはわからないとも。

今回は『Planet Football』から「オランダ・エールディビジで優勝し、イングランドに進出した監督たち」をご紹介する。

エリック・テン・ハフ

オランダリーグを優勝したクラブ:アヤックス

プレミアリーグで率いたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド

アヤックスで驚異的な成績を収めたオランダ人監督。若い選手を積極的に起用し、多くのビッグプレイヤーを育て上げ、チャンピオンズリーグでレアル・マドリーやユヴェントスを撃破した。

そしてイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任。ラルフ・ラングニックとのコンサルタント契約を途中で打ち切ってまでの招聘で、クラブにとってはギャンブルにも近い決断だった。

イングランドにやってきたテン・ハフ監督はより現実的なアプローチをし、アヤックスでのポゼッション重視のスタイルを捨てて1年目はそれなりに結果を残した。

しかしながら2年目となった今季、プレミアリーグではトッテナムに差をつけられての6位と欧州カップ戦出場圏外になっており、期待したほどの上昇傾向を見せていない。メディアやファンからの批判も大きくなっている。

フィリップ・コクー

オランダリーグを優勝したクラブ:PSVアイントホーフェン

プレミアリーグで率いたクラブ:ダービー・カウンティ

かつてバルセロナで長く活躍した稀代のユーティリティプレーヤー。知性的な動きで知られた彼は、ファンの期待通りに引退後は指導者として活動を開始。オランダ代表のアシスタントを務めたあと、古巣でもあるPSVアイントホーフェンを率いて成功を収めた。

そして2018年にフェネルバフチェを率いたあと、2019年にダービー・カウンティの監督に就任した。フランク・ランパードが退任したあとのクラブはフィカヨ・トモリ、メイソン・マウント、ハリー・ウィルソンが退団していたが、その苦境のクラブを10位とそこそこの位置に導いた。

ただ、2年目は経済的に苦しいクラブを最下位に落としてしまい半年で辞任。そして2年の浪人期間を経てからフィテッセの監督を務めたが、この際もリーグ最下位に沈んで辞任している。

ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト

オランダリーグを優勝したクラブ:フェイエノールト

プレミアリーグで率いたクラブ:グラスゴー・レンジャーズ

コクーと同じくオランダ代表の中心選手として活躍したファン・ブロンクホルスト。アーセナルやバルセロナで左サイドバックを務めた万能ディフェンダーは、2010年にフェイエノールトで現役引退したあと指導者に転身した。

その後はフェイエノールトでアシスタントコーチを務め、2015年に監督へと昇格。初年度でKNVBベカーを制覇し、さらに2016-17シーズンは念願のエールディビジ優勝も果たす。

その後中国の広州富力を経て2021-22シーズンからスコットランドの名門グラスゴー・レンジャーズの監督に就任。アストン・ヴィラに去ったスティーヴン・ジェラードの後任となった。

ただちょうどアンジェ・ポステコグルー率いるセルティックがかなり好調だったこともあり、レンジャーズではリーグ優勝には手が届かず。2022年11月に解任されることになった。

フランク・デ・ブール

オランダリーグを優勝したクラブ:アヤックス

プレミアリーグで率いたクラブ:クリスタル・パレス

オランダ代表では長くリベロとして活躍した名ディフェンダー。双子であるロナルト・デ・ブールとともに90年代のサッカーを彩ったスーパースターだ。

現役引退後に指導者となった彼は古巣アヤックスの下部組織からコーチングをスタートし、2010年にマルティン・ヨル氏の退任を受けて暫定監督に就任。さらに数週間後には正式に監督としての契約を結んだ。

そして2010年からなんと4シーズン連続でアヤックスをエールディビジ優勝に導き、素晴らしい成績を収めることに成功した。当然ながら数々のビッグクラブから関心を持たれる存在に。

ところが2016年夏に就任したインテルでは3ヶ月も持たずに解任。次年度のクリスタル・パレスでもわずか77日で解任されることになった。その後はアトランタ・ユナイテッドとオランダ代表、アル・ジャジーラを指揮した。

スティーヴ・マクラーレン

オランダリーグを優勝したクラブ:トゥウェンテ

プレミアリーグで率いたクラブ:ミドルズブラ、ノッティンガム・フォレスト、ダービー・カウンティ、ニューカッスルなど

2001年から指揮したミドルズブラではリーグカップで優勝、FAカップやUEFAカップで決勝進出するなどいくつかの素晴らしい瞬間を経験したスティーヴ・マクラーレン監督。

イングランド代表での指揮を経て2008年にエールディビジのトゥウェンテで監督に就任すると、なんと2009-10シーズンにクラブの歴史で初となるリーグ優勝を果たし、年間最優秀監督賞も獲得した。

ただ、その後はノッティンガム・フォレストやトゥウェンテ(2回目の指揮)、ダービー・カウンティ、ニューカッスルなど様々なクラブを率いたもののかつての栄光を取り戻すことはできず。

現在はマンチェスター・ユナイテッドでエリック・テン・ハフのアシスタントコーチを務めているが、ここでも厳しい時間を過ごしている。

ルイス・ファン・ハール

オランダリーグを優勝したクラブ:AZアルクマール、アヤックス

プレミアリーグで率いたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド

詐欺で逮捕された者も…歴史上「最も早く退任した監督」ワースト10

比類のない戦術家であるルイス・ファン・ハール。1991年にアヤックスで監督となり、そこで3シーズン連続のエールディビジ制覇とUEFAカップ制覇、チャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。

その実績を引っ提げてバルセロナ、オランダ代表を指揮したあと、AZで再びエールディビジを優勝させた。さらにバイエルン・ミュンヘンと2度目のオランダ代表で結果を残し、2014年に初めてイングランド・プレミアリーグにやってきた。

マンチェスター・ユナイテッドは当時混乱のるつぼにあり、多くの補強を行いながらなかなか成功できず。2015-16シーズンにFAカップを制覇した2日後、クラブから解任を言い渡されている。

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