【中国】自動車業界の利益率低下、競争厳しく[車両]

中国の自動車メーカーの稼ぐ力が弱っている。中国自動車業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)によると、自動車業界の2024年1~3月の売上高利益率は4.6%となり、直近5年の最低水準を記録した。市場の競争が激化する中、値下げなどによる販促や開発費用の拡大などが利益率の重しとなった。利益は輸出事業と高級車事業に頼る構図で、ほとんどのメーカーは利益を大幅に減らしているという。

月別の利益率は1~2月が4.3%、3月は5.2%だった。2月の春節(旧正月)連休前後の値下げ販促が1~2月の利益率を下げた。

中国自動車業界の利益率は年々低下しており、20年の6.2%から23年には5.0%へと下落。販売1台当たりの利益は17~22年に2万元(約43万円)を維持していたが、23年以降は単月ベースでおおむね1万元台に低下。単価の下落とコストの高まりを反映した形で、今年は1万5,000~1万6,000元で推移している。

CPCAの崔東樹秘書長は、輸出事業や高級車事業を除き、ほとんどのメーカーがもうけを大きく減らしていると指摘。ガソリン車はまだ利益を上げているものの、急速に縮小。「新エネルギー車(NEV)」は市場が拡大する中で多額の損失を被っているとの見方を示した。政策に支えられてNEVの価格優位性が強まる中、主要自動車メーカーの利益下押し圧力は急激に強まっていると分析した。

国家統計局が27日発表した自動車製造業の24年1~3月の利益総額は前年同期比32%増の1,040億元、売上高は6%増の2兆2,483億元だった。自動車製造業の売上高利益率は工業企業平均(約4.9%)を下回った。

© 株式会社NNA