栃木県那須町伊王野の河川敷で16日に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、県警と警視庁の合同捜査本部は29日、死体損壊の疑いで住所、職業不詳の男（28）を逮捕した。事件の逮捕者は2人目で、沖縄県内で身柄を確保した。捜査本部は男が指示役だった可能性があるとみて経緯などを捜査。遺体の焼損などの実行役とみられる男2人組についても同容疑で指名手配した。他にも事件に関わった人物がいるとみて、被害者との関係などを調べている。
逮捕容疑は、埼玉県越谷市、建設業の男（25）＝死体損壊容疑で逮捕＝らと共謀し16日未明から朝までの間、同町伊王野の河川敷で、東京都千代田区、会社役員男性＝当時（55）＝と妻の会社役員＝同（56）＝の遺体に火を付け、焼損させた疑い。捜査本部は認否を明らかにしていない。
捜査本部によると、各地の防犯カメラの捜査で職業不詳の男が沖縄県内にいることを把握。27日に同容疑で逮捕状を取り、指名手配した。28日午後、那覇空港にいるのを捜査員が発見し、任意同行を求めて逮捕。飛行機などで警視庁大崎署に移送した。同県内に数日間滞在していたとみられ、福岡県へ向かう航空券を持っていたという。
建設業の男は調べに対し「ある人物から遺体の処理を頼まれた。それを知人2人に依頼した」などと供述。「ある人物」を職業不詳の男と説明したという。2人は知人同士とみられる。
これまでの捜査で建設業の男はガソリンや携行缶などを準備したほか、自分の車を知人の男2人に貸したことが判明。車は那須町の遺棄現場まで遺体の運搬などに使われたとみられる。
職業不詳の男と建設業の男は遺体発見当日の16日未明、品川区内の居酒屋で接触していた。建設業の男は午前2時前～3時半ごろまで店に1人で滞在。その後、職業不詳の男が来店して5分ほど滞在し、一緒に店を出たという。
一方、実行役とみられる男2人組は16日午前0時過ぎに都内の空き家で被害者2人と接触していた。約2時間の滞在中に暴行した可能性が高く、その後に建設業の男の車で那須町へ向かったとみられる。
