中森明菜、REBECCAからTMG、COMPLEXまで ベテランアーティストのライブ再開に集まる注目

日本の音楽シーンにおいて、中森明菜やREBECCAといったベテランアーティストたちの久々のライブ/ツアー活動再開が注目を集めている。

約6年半ぶりとなるライブ(ファンクラブ「ALDEA」会員対象)を2024年7月に開催する中森明菜。デビュー35周年を迎えた2017年に『AKINA NAKAMORI DINNERSHOW 2017 CLUB NIGHT』と題して開催されたディナーショー以来のライブ活動だ。まだ詳細な公演情報は発表されていないものの、ファンからは早くも熱い期待が寄せられている。

中森明菜といえば、80年代に「少女A」「北ウイング」」「十戒 (1984)」「飾りじゃないのよ涙は」などのヒット曲を連発し、時代の寵児となった伝説的なアーティスト。活動休止期間を経ながらも、2017年には25枚目のオリジナルアルバム『明菜』とディスコソングカバーアルバム『Cage』をリリース。今年に入ってからは、自身のYouTubeチャンネルで「TATOO‐JAZZ-」「BLONDE‐JAZZ-」「ジプシー・クイーン‐JAZZ-」「北ウイング‐JAZZ‐」といった楽曲のセルフカバー動画を公開するなど、久しぶりの歌声を聴かせてくれている。来たるライブは、そんな彼女の完全復活を告げる象徴的なイベントとなるだろうか。

80年代を代表するロックバンド REBECCAも、7年ぶりの全国ツアーをこの夏に開催する。メジャーデビュー40周年を迎えた4月21日に発表された、この『REBECCA NOSTALGIC NEW WORLD TOUR 2024』。2017年に開催された『REBECCA LIVE TOUR 2017』以来のライブツアーである。

REBECCAは、「フレンズ」「RASPBERRY DREAM」「MONOTONE BOY」「MOON」などのヒット曲で人気を博し、男女問わず幅広い世代から支持を集めたバンド。人気絶頂のなか1991年に惜しまれながら解散したが、阪神・淡路大震災の復興支援を目的に1995年に再結成。以降、2015年から本格的に音楽活動を再開すると、ライブツアーや新曲のリリース、『第66回NHK紅白歌合戦』への出場など、断続的に活動を続けてきた。2017年以降大きな活動はなく、事実上の活動休止状態であったREBECCAだが、今回発表されたツアーでは、デビュー40周年ということもあり往年のヒット曲が披露されることが期待されている。REBECCAの楽曲が再びステージ上で蘇る瞬間を見逃せない。

中森明菜やREBECCA以外にも、今年はベテランアーティストの久々のライブが相次ぐ予定だ。例えば、B'zの松本孝弘(Gt)、MR.BIGのエリック・マーティン(Vo)、Night RangerやDamn Yankeesのジャック・ブレイズ(Ba)を中心に2004年に結成されたスペシャルなロックバンド TMGは、2024年9月に約20年ぶりの全国ツアーを予定しているし、吉川晃司と布袋寅泰によるユニット COMPLEXも令和6年能登半島地震の被災地のために力になりたいとの思いから、2024年5月15日と16日に東京ドームでライブを行うことが決定している。このように、2024年はベテランアーティストによる“待望のライブイヤー”となりそうだ。

そして、それぞれのアーティストが長い時を経て再びステージに立つ姿は、ファンにとって何ものにも代え難い瞬間となるはず。これはベテランアーティストたちの音楽が、時代を超えて多くの人々を魅了し続けているからこそである。それぞれのライブは、当時からのファンには懐かしく、初めてそのパフォーマンスを目にする新しいファンには新鮮なライブになるだろう。時代や流行に左右されることのない普遍的な魅力をライブで存分に味わってほしい。

(文=Z11)

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