自由利かなくなる体を時計に重ねて紙芝居に 筋ジスの男性が創作「すてきな文化で人に元気を」

入院中の自分の姿を投影して作った作品「ポキールの時計」を上演する小川さん(京都府南丹市・アスエルそのべ)

 京都府京丹波町の創作紙芝居師小川よしのりさん(37)が、京都府南丹市のアスエルそのべで講演した。難病と向きあってきた経験を基にした作品などを上演し、紙芝居の素晴らしさを伝えた。

 同市女性会が総会に合わせた記念講演として企画。会員やその家族など約50人が聞いた。

 小川さんは18歳の時、難病「筋ジストロフィー」と診断された。ケーキ店経営などを経て、現在は自宅で仕事をしながら、紙芝居の上演や子育てに励む。

 講演では「立ったり座ったりは大変だが、僕には声がある」と語り、自由が利かなくなる自分の体を時計に重ねた作品「ポキールの時計」を情緒あふれる声で披露。「紙芝居という日本のすてきな文化で人々を楽しませ、元気を与えられたら」と話した。

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