松木玖生が“頭脳的プレー” 負傷→ピッチ上治療の“権利”活用に称賛「マリーシアの部分」

イラク戦に出場した松木玖生【写真:Getty Images】

松木が後半20分に相手DFタシーンからファウルを受けたあと、ゲームを落ち着かせる

U-23日本代表は現地時間4月29日、パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップ準決勝でイラクを2-0で下し、8大会連続の五輪出場を決めた。MF松木玖生は中心選手としてチームを支えたなか、後半のある“頭脳的プレー”が称賛されている。

日本は前半28分にFW細谷真大の2試合連続ゴールで先制すると、同42分にはFW荒木遼太郎が巧みな連係から追加点。後半、イラクに攻め込まれ、ゴールを脅かされるピンチもあったが、GK小久保玲央ブライアンやDF関根大輝を中心に守備陣が懸命にしのぎ、2-0で勝利した。

そのなかで、インサイドハーフで後半35分までプレーした松木のある行動が注目を集めている。

日本は後半20分、ボールを奪ってカウンターを狙おうとしたところで、松木が足を引っかけられてセンターサークル付近で倒される。ショーン・エバンス主審はアドバンテージを見て日本の攻撃が続行。FW平河悠の左足クロスに合わせて細谷がヘディングシュートを放つも、これは右ポスト直撃で追加点とはならなかった。

その後、プレーが途切れたタイミングでイラクDFザイド・タシーンにイエローカード。痛がる仕草から、「テレビ朝日」で解説を務めた元日本代表DF内田篤人は「玖生がいなくなるのは……」と心配したが、「(足を)蹴られていますね。(ただ)たぶん玖生なら大丈夫じゃないかな」と状況を見て言葉を続けた。

松木はピッチから出ず、倒れ込んだ付近で治療を受け、イラクに押されつつあった状況を上手く落ち着かせる結果となった。負傷者はピッチから出て治療を受けなければならず、試合が再開されたのちにのみフィールドに戻ることができるが、イエローカードやレッドカードの対象となる反則があったあとはピッチ上で治療を行える例外規定が追加されており、それを巧みに生かした。

スポーツチャンネル「DAZN」で解説を務めた元Jリーガーの林陵平氏も「(松木は)まぁ大丈夫でしょう。ジャンプしてかわしてはいたんで」と振れ、「多少は、時間を使っていると思うんですよ。そこらへんのマリーシアの部分、ずる賢さというところですね」と、松木のしたたかなサッカーIQを称えていた。(FOOTBALL ZONE編集部)

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