大玉・馬場桜「99%が枯死」 調査で県文化財保護審議会長見解

馬場桜の周辺にくいを埋める関係者

 複数の根が枯れた状態となっている大玉村玉井の国指定天然記念物「馬場桜」について、樹木医の鈴木俊行県文化財保護審議会長は29日、「99%が枯死している状態。かなり厳しい状況だ」との見解を示した。村が同日始めた現地調査で報道陣に考えを語った。

 鈴木会長は枯死の原因について、樹木を枯れさせるモンパ菌やナラタケ菌の影響を指摘した上で「(2018年の暴風で)一度倒れたところから樹勢は回復していたが、突然がたがたと(状態が悪くなって)いってしまった。非常に残念だ」と述べた。村教委は樹木の枯死や原因が確認され次第、国指定の取り消し手続きを取る方針。早ければ年内にも取り消される可能性があるという。

 馬場桜は樹齢千年以上を誇る桜だが、村教委によると、昨年花を咲かせた後、6月ごろに全ての葉が落ちた。今年は花を咲かせていない。現地調査では、馬場桜の幹周辺にコナラのくい8本を埋め、約3カ月後に掘り起こして菌が繁殖していないかを確かめる。

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