県「食の支援策」、全市町村に対象拡大 本年度500世帯分を確保

山形県庁(資料写真)

 県外から本県への移住世帯にコメ、みそ、しょうゆを贈る「食の支援策」を展開している県は2024年度、対象の移住先を全35市町村に拡大する。23年度の利用は初めて300世帯に迫る勢いで、本年度は500世帯分の予算を確保している。

 山形の食の魅力を知ってもらおうと18年度に始まった全国的にも珍しい事業で、これまで県と市町村、JA全農山形、県醤油(しようゆ)味噌(みそ)工業協同組合が連携し、費用を分担してきた。県移住定住・地域活力創生課によると、22年度は30市町村、23年度は33市町村が取り組んだ。利用は19年度の182世帯から、20年度に253世帯、21年度は268世帯に増えた。22年度は239世帯にとどまったものの、23年度は24年1月末時点で291世帯と伸びている。

 県は本年度、移住先にかかわらず全県で一体的に食の支援を提供しようと単独での事業展開を決めた。これまで同様、「ふるさと山形移住・定住推進センター」(くらすべ山形)など本県の公的な移住・就職相談窓口の利用が条件で、2人以上の世帯に県産米60キロ(単身世帯40キロ)、みそ3キロ(同2キロ)、しょうゆ3リットル(同2リットル)を贈る。

 同事業について、23年度の利用世帯からは「引っ越したばかりで生活が大変な中、食の支援は助かる」「山形産の食材や食品のおいしさを知るきっかけになった」といった感想が寄せられている。

 現在、24年度分の申し込み受け付けの準備を進めており、同課の担当者は「さまざまなサポートを用意して、移住先として選んでもらえるよう努める」としている。

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