正しい日本語、身につけて ボラ団体 外国籍の人に学習支援 三浦市

マンツーマンで指導する会員と参加者

市内に住む外国籍の人などに正しい日本語を身につけてもらおうと、学習支援教室を開いている人たちがいる。「にほんご広場」というボランティアグループで、現在会員9人がマンツーマンで指導。発足から2年目を迎え、参加者からも好評を博しているようだ。

「こんにちは」。4月20日の午後、アメリカやフランス、台湾といった国籍の参加者5人が市民交流センターに集まった。20〜60代と年齢層も幅広く、日本人の配偶者がいる人や仕事で一時的に近隣に暮らす人など日本語を学ぶ目的はさまざま。指導する側も新聞記事や行政広報紙を広げて漢字の音・訓を読んだり、手書きのことわざカードを渡したりする工夫を凝らし、個々の能力に合わせてレクチャーする。

団体の代表を務めるのは、小網代在住の江川いく子さん。都内で生まれ、30年ほど前に三浦へ移住。語学学校の講師として働いていた経験を生かし、「気軽に楽しく日本語を習得できる場を提供したい」と昨年4月にグループを発足した。

「普段意識せずに使っている母国語ですが、いざ説明しようとすると難しいもの」と江川さん。例えば「〜みたい」「〜らしい」と似た言葉があるが、患者を診た医者が「胃が弱っているみたいですね」とは言っても「胃が弱っているらしいですね」と言うと少しおかしな表現になる。こうした状況による細かな使い分け方なども丁寧に指導。ここに約1年通うフランス国籍の60代男性は「近所の人と会う時に便利。言葉を覚えると話したくなる」と笑った。

3月末には、学習者それぞれが自身の趣味を日本語で発表する交流会を開催。皆が一生懸命に伝えようとする姿を見た江川さんは「参加者同士の絆も強くなったので、今年度は定期的に企画したい。そして不自由なく生活できる学びにつながれば」と思いを語った。

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