豪州ブランドの中国での成否を決める存在だった「代購」は今どこに?―香港メディア

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは27日、「オーストラリアのブランドの中国での成否を決める存在だった『代購』は今どこに」とする記事を掲載した。写真は粉ミルク。

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは27日、「オーストラリアのブランドの中国での成否を決める存在だった『代購』は今どこに」とする記事を掲載した。代購とは、海外で売られている商品を中国の購入希望者に代わり買い付けるビジネスのこと。

中国メディアの環球時報が要約して伝えたところによると、記事は、代購歴の長い人の話として「代購が豪州とニュージーランド(NZ)で最も活発だったのは2012年から17年にかけてだ。当時は中国の中間所得層の消費とブランドに対する意識が急成長し、大勢の中国人観光客や学生が世界各国へ飛び、その多くが代購を始めた」と伝えた。

記事によると、その購入対象は粉ミルクだけでなく、サプリメント、スキンケア、さらにはUGG(アグ)のブーツにまで及んだ。しかし、中国当局による輸入税逃れの取り締まりや、地元消費者による怒りの表明、新型コロナ流行による渡航制限が大きな打撃となった。中国の電子商取引が西側市場に進出していることも影響していると、元代購や専門家は語る。

しかし代購は完全に消滅したわけではない。電子商取引コンサルティング会社フロンティア・ブルーの創業者、ジェームズ・ハドソン氏によると、今では豪州とNZのブランドと提携し、より洗練された小売エコシステムに変貌し、オンラインでの存在感を増し、中国のオンラインショッピングモール「天猫(Tmall)」やショート動画プラットフォーム「抖音(ドウイン)」を通じて中国の消費者と直接つながっている。

NZの貿易コンサルタント、スティーブン・ジャコビ氏によると、これまで販売を代購に大きく依存していた輸出業者は現在「後悔」しているという。価値ある関係を築くことができないため持続不可能な市場構築方法だったからだ。多くの代購が小売業界から姿を消す中、NZの輸出業者は、海外展開に多額の費用がかかるにもかかわらず、中国での物理的な存在感を示すことを検討すべきであり、電子商取引のみで販売するという代購の足跡をたどるべきではない。電子商取引チャンネルは便利だが、コストもかかり、限界がある。企業は遅かれ早かれ中国で業務を行わなければならない。(翻訳・編集/柳川)

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