GHQが建設主導した戦後初のゴルフ場 責任者だった亡き米軍少佐の子孫が京都に

かつてシェフィールド少佐が写真を撮った場所で、記念撮影するハロルド・シェフィールドさん(左から4人目)ら(京都市上京区・府庁)

 戦後初の新設ゴルフ場「京都ゴルフ倶楽部上賀茂コース」(京都市北区)の建設を主導した連合国軍総司令部(GHQ)少佐の息子夫婦らが、京都を訪れた。ゴルフ場でプレーしたり、京都府庁で西脇隆俊知事と懇談したりして、亡き父に思いをはせた。

 同ゴルフ場は、戦後の京都を管轄していたGHQ第1軍団が娯楽施設として計画。ハロルド・シェフィールド米軍少佐が建設を進め、上賀茂神社の一部を開発して1948年に完成した。

 昨年7月、少佐の孫娘ジェシカ・シェフィールドさん(37)が友人と初めて同ゴルフ場を訪れ、大きな歓迎を受けた縁で、少佐の息子夫婦も来日することになった。

 訪れたのは、少佐の息子ハロルド・シェフィールドさん(74)と妻ドローラさん(65)夫妻、ジェシカさん、友人のセルシャ・クローニンさん(39)。3月30日に京都入りし、31日と4月1日は同ゴルフ場でプレーした。

 2日、一行はゴルフ場関係者らと西脇知事を訪問。西脇知事は「大変難しいが、素晴らしいコースを残してもらい感謝」とし、ハロルドさんは「父は日本が大好きで、よく思い出を語っていた」と振り返った。その後、少佐と当時の木村惇知事が一緒に写真を撮った府庁旧本館前で記念撮影した。

 ハロルドさんは1949年に京都第一赤十字病院で生まれ、生後5カ月で帰国した。20年前に京都を訪れたことはあったが、ゴルフ場や府庁の訪問は初めてで、「ゴルフ場でプレーしたり、同じ場所で写真を撮ったりして、父との精神的なつながりを感じた。言葉にならないほどうれしい」と話していた。

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