衆院長崎3区補選 投票率は最低35.45% 無効票も増加

衆院長崎3区の投票率

 異例の野党一騎打ちとなった28日投開票の衆院長崎3区補選は投票率35.45%と、同区の最低記録だった2014年衆院選の51.58%を16ポイント以上下回り、県内国政選挙での戦後最低を更新。県内の政党関係者らは「政治不信」や自民党候補の不在が理由と分析する。無効票率も4.94%と、前回衆院選の2.34%の倍以上に。有権者の戸惑いや関心の低さがうかがえる結果となった。
 21年に実施された衆院長崎3区の投票率は60.93%で、県内4選挙区の中で最も高かった。だが今回の補選では3区内の全市町で投票率が低下。前回選から25.48ポイント下がった。県内国政選挙での戦後最低はこれまで、1948年衆院長崎1区(当時)補選の37.19%だった。
 自民党の政治資金問題を発端に実施された今回の補選。「政治とカネ」問題を中心に訴え勝利した立憲民主党、山田勝彦氏の陣営関係者は低投票率を受け「政治への怒りよりも諦めや政治不信の方が強く出たのでは」と分析。長崎3区が次の衆院選から新2区と新3区に分割される“消える選挙区”であることが影響したとの見方もある。
 裏金事件の逆風などを理由に今回、独自候補の擁立を断念した自民。県内の同党関係者は「自民支持層が投票に行かなかったり、行った人でも白紙を投じたりしていた」とみる。別の関係者は「自民におきゅうを据えたいと考えていた層が、(自民候補の不在で)しらけて投票に行かなかったのでは」と話す。
 無効票は2021年衆院選の3373票から4062票に増加。市町別の無効票率は五島市の6.54%が最も高く、小値賀町6.39%、新上五島町5.72%、対馬市5.02%と続き、離島での高さが目立った。
 大村市の開票所では投票用紙に何も書かない白票をはじめ、「該当者なし」「自民党」「棄権いたします」などと書かれた投票用紙が散見された。

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