閉店後の信金に60代女性「詐欺を確信」 「年金払い戻しが…」職員が招き入れ被害阻止 兵庫・明石

明石署から感謝状を受け取った淡路信用金庫明石支店の山田芳彦さん=明石署

 特殊詐欺による被害を未然に防いだとして兵庫県警明石署は淡路信用金庫明石支店(兵庫県明石市桜町)とセブン-イレブン明石山下町店(同市山下町)に感謝状を贈った。

 同署などによると、同信金には3月13日午後5時10分ごろ、市内の60代女性が1人で来店した。閉店後だったため、次長の山田芳彦さん(42)がインターホン越しに対応。女性が「年金の払い戻しが2万3千円ある」と話したことに詐欺を疑い、店内に招き入れた。

 話を聞いている途中、女性の携帯電話に自宅の夫から「信金のサポートセンターから承認が取れたと電話があった」と連絡が入った。同信金にサポートセンターは存在しない。詐欺を確信した山田さんは女性にそう伝え、同署に通報した。

 山田さんは「振り込みや出金の依頼があったときは常に詐欺の可能性を意識している。継続して意識していきたい」と話す。

 セブン-イレブン明石山下町店では3月18日午後1時ごろ、市内の70代男性が1人で来店し、レジで5万円分の電子マネーを求めた。対応した店員の西田由美子さん(56)は買い方を知らない男性を不審に思い、「高い買い物をされたんですか」と尋ねた。「パソコンがウイルスで壊れた」という男性に詐欺を確信。オーナーが110番通報して被害を未然に防いだ。西田さんは「お客さんの大切なお金を守れて本当に良かった」と笑顔を見せた。(領五菜月)

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