九十九里町の片貝中央海岸で29日、「関東一早い」という触れ込みの「海開き式」が開催された。町観光協会が主催し、町幹部や地元議員、周辺首長ら約50人が安全祈願式典で海の事故ゼロを願った。大型連休期間に合わせ、訪れた観光客が楽しめる獅子舞や和太鼓演奏、町特産ハマグリの酒蒸し無料配布といったイベントも砂浜で行い、夏を前に親子の笑顔が広がった。
町名の通り、海沿いに九十九里浜が広がる同町には、四つの海水浴場があり、砂浜が主要な観光資源。実際の海水浴場開設は7、8月だが、夏前も多くのサーファーらが訪れる。同協会は、毎年ゴールデンウイークの時期に一足早い「海開き式」を実施している。
安全祈願式典では浅岡厚町長らが無事故を願ったほか、ライフセーバーの団体が心肺蘇生方法を観光客らの前で実践した。
今年は4月後半から季節外れの暑さが続いていて、早くも夏の雰囲気を感じる砂浜を舞台に、ともに町内を拠点に活動する伝統芸能保存団体の「西野獅子連」による獅子舞、「九十九里黒潮太鼓」による和太鼓演奏が披露された。ハマグリの酒蒸しは先着約200人に振る舞った。観光客は同町の魅力を存分に感じた様子。
町観光協会の石橋豊和会長は「九十九里町は東京といった都市部から近く、ドライブがてら気軽に訪れることができるリゾート地」と語り、観光訪問の活発化を期待した。