鹿児島県警の捜査情報を第三者に漏らしたとして、29日に地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで再逮捕された曽於署巡査長の男(49)は、周囲から「真面目な人」と評される。動機の解明が最大の焦点だが、勾留後は本人との接見が禁じられるなどして、全容は判然としない。
再逮捕を受け、担当弁護士は南日本新聞の取材に対し「現時点で話せることはない。動機は裁判などで今後明らかになることだ」と述べるにとどめた。
男の人物像について、同僚や知人らは「仕事熱心」「正義感の塊のような人」と一様に評する。事件当時、男は公共の安全を脅かす組織や団体を取り締まる、秘匿性の高い公安課に所属していただけに「やり方が大胆で理解に苦しむ。何が目的だったのか」といぶかしむ。
県警は今回、漏えい先とされる第三者について、1回目の事案と同一かどうかは「明らかにできない」としている。漏れたとされる情報の正確な件数も公表されておらず、事件の広がりは不明のままだ。
男は特殊な任務ゆえに苦手意識を周囲に漏らすこともあったという。よく知る男性は「ずっと信じられない思いでいる。裁判などになれば、事実を話してほしい」と案じた。