株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のブライダル関連市場を調査し、主要分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2023年のブライダル関連市場規模(主要6分野計)は、事業者売上高ベースで前年比111.2%の1兆9,708億円の見込みである。2022年に挙式披露宴・披露パーティ市場が1兆円台を回復し、2023年も同市場は好調に推移すると見込む。それに伴いブライダル関連市場も約1.9兆円台まで回復してきている。その他の関連市場では、ブライダルジュエリーは素材価格高騰に伴う商品価格の断続的な値上げが市場拡大につながっている。また、結婚相談所・仲介業サービス市場(旧:結婚情報サービス・仲介業市場)は、ポストコロナの期間に入り、従来の対面での出会いの機会やコロナ禍で活性化したオンラインによるサービスの需要が増えた。こうした背景から一部事業者においては利用者が増えていること、オンライン特化型のサービスからの流入もあって拡大推移とみられたが、事業者の経営破綻などが相次ぎ、2022年を下回った。
2.注目トピック~挙式場新規出店・リニューアル投資の本格的な再開
挙式場の新規出店と施設のリニューアル(チャペルや披露宴会場等バンケットルームの改装)は、事業の成長を牽引する。コロナ禍で抑制された投資が、2023年から本格的に再開されている。大手挙式運営企業ではホテル業態への業態転換や新事業の展開に舵をきっている。また、中堅企業においては、年間複数店舗を出店するなどの成長戦略が掲げられている。
3.将来展望
2024年のブライダル関連市場規模(主要6分野計)は、事業者売上高ベースで前年比103.5%の2兆400億円と予測する。主力の挙式披露宴・披露パーティ市場は、受注状況や、婚礼相談の問合せ状況などから、コロナ禍の落ち込みからの急速な回復期は落ち着き緩やかな伸びとなるものとみている。
ブライダルジュエリーは断続的な商品価格の上昇が落ち着き、横ばいとなる見通しである。
結婚相談所・仲介業サービス市場についてはオンラインと対面によるサービスの充実化により利用者の需要の高まりが続くとみられ、微増を予測する。