市役所食堂、民間の休店・撤退の末に 地元飲食店が「復活開店」 弁当販売で障害者就労を応援 兵庫・三田

プレオープンに訪れ、同僚と定食を味わう市役所職員=三田市三輪2、三田市役所

 民間事業者の出店と休店、撤退が相次いだ兵庫県の三田市役所(兵庫県三田市三輪2)の2号庁舎1階に30日、「さんさん食堂」がオープンする。2015年11月から約4年間、同じ名前で営業していた市内の飲食店チェーン「福助」(南が丘1)が再び挑戦。米や野菜など三田産の食材をふんだんに使用したメニューを準備する。弁当販売などで障害のある人の就労支援にも新たに取り組む。(尾仲由莉)

 最初のさんさん食堂は、従来の市役所内食堂が庁舎改修で閉鎖した後に出店。19年10月に閉店した後は、別の事業者が「三田キッピー食堂」をオープンさせ、激辛カレーなど変わり種のメニューで注目を集めた。だが、新型コロナの感染拡大で外食離れが続き、2度の休店を経て昨年8月末に撤退した。

 採算性向上に向けて市は営業時間を緩和し、運営事業者を公募。3社から「福助」が選ばれた。提案された弁当販売は外食を敬遠する人にもアプローチでき、イベントにも参加可能な点などが評価されたという。

 メニューは、メイン料理とサラダや小鉢がついた日替わり定食(税込み750円)のほか、カレー、うどんなど。三田米のほか、サニーレタスやキャベツなどの野菜も地元産、手作りにこだわる。

 プレオープン初日に日替わり定食を食べた市職員の樋口諒介さん(31)は「ボリュームがあってありがたい。近くに食堂があまりないので、来やすくてうれしい」と話した。

 同社の福西文彦社長(56)は「市内でなじみ深い私たちが運営することで、市職員だけでなく、誰でも来てもらえる食堂にしたい」と語った。祝日以外の月~金曜、午前11時半~午後2時。同食堂TEL079.505.2033

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