桂由美さんが94歳で死去、ブライダルに大きな功績 着用率3%だったウエディングドレスの普及に貢献

桂由美さん【写真:Getty Images】

海外でも高く評価

ウエディングドレスで知られ世界的に活躍したファッションデザイナーの桂由美(本名・結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが26日、死去した。94歳だった。

桂さんは1964年日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動開始。翌年、日本初のブライダル専門店をオープン。日本のブライダルファッション界の第一人者としてパリやNYなど世界各国30以上の都市でショーを行い、「ブライダルの伝道師」とも称された。

1993年に外務大臣表彰、2019年には文化庁長官表彰を受賞。2023年11月には、結婚式におけるウエディングドレスという分野を確立し、日本のシルクの美しさや魅力を世界中に広く周知し、絹文化の発展に貢献した功績は偉大として蚕糸功労者最高賞「恩賜賞」を受賞した。

株式会社ユミカツラインターナショナルはこの日、公式サイトで「1965年以来ユミカツラのクリエイティブディレクターを務めてきた桂由美(かつら・ゆみ/94歳)の逝去を発表します」と発表。

「並外れたクリエイティブさと情熱を持つ桂由美は、花嫁の夢を叶えるため奔走し続け、日本人女性にぴったりのウエディングドレスや打掛をはじめとする婚礼衣装の開発をしました。1965年には着用率がたったの3%だったウエディングドレスも、現在では90%以上の花嫁が着用するようになり、その活動は婚礼衣装にとどまらず、結婚式のスタイルに強く影響を与えてきました。数々の困難を乗り越えながら、実業家として、変革者として、”婚礼衣装の選択肢を増やしたい”とブライダル革命を起こし続けた桂由美の功績に触れることなしには日本のブライダルは語ることが出来ないでしょう」と続けた。

さらに「1981年にはNYショーのデビューを皮切りに、ローマやパリなど、30カ国以上へと活動の場を広げ、国内だけにとどまらず世界中の花嫁に影響を与えました。日々ドレスの制作や新素材の開発を続けながら日本の素晴らしい伝統技術を体感した桂由美は、ブライダルの枠組みを超え、日本の技術を用いたコレクションをパリコレはじめ海外で発表。日本の伝統美や技術を継承し発信していく試みは、世界的に評価されました。最後に、桂由美のウエディングドレスにかける強い思いと美への探究心――そこから生み出されるドレスたちは多くの花嫁様を輝かせ、かつてない自信と感動を届け、新しいクリエイションを生み出し続けてきたことは忘れてはなりません」などと功績をたたえた。

また同社の常務執行役員、鞍野貴幸氏は「桂由美氏は、誰よりも花嫁を美しくすることに寄り添い、日本のブライダル文化の発展を願い、そしてユミカツラを愛していました。そのあくなき挑戦を続けるマインドによって、誰も想像しなかった未来を切り拓き、数多の遺産を残してきました。1965年から今日までの60年間並々ならぬ情熱を捧げてこられた桂由美氏の意思を受け継ぎ、ユミカツラとして100年続く企業を目指します」とコメントした。 ENCOUNT編集部

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