【日経平均株価】日銀が為替介入の観測、円安傾向は続行か

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日銀の金融政策決定会合を受けて買われる

2024年4月26日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比306円28銭高の3万7934円76銭となりました。同日まで開かれていた開かれていた日銀の金融政策決定会合で、追加利上げを見送り、緩和的な政策を維持するとされたことから、広く買われる展開となりました。日米金利差を見込んで円が売られ、ドルが買われました。自動車、機械など、輸出関連銘柄も買われました。

円が急落しています。29日は昭和の日で祝日でしたが、アジアの取引時間には対ドルで一時160円20銭台と約34年ぶりの安値を付けました。しかし、その後に大きな円買いが断続的に入ると、1ドル=154円台まで上昇しました。休日にもかかわらず規模が大きかったことから日銀による介入があったのではないかと見られています。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し前週末比146ドル43セント高の3万8386ドル09セントで終えています。アップル、テスラなどが買われました。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸しています。日本株も連休明けから底堅い展開になることが期待されます。

気になるのはやはり為替相場です。米連邦準備理事会(FRB)は4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開きます。米国ではインフレ傾向が続いていることから利下げ観測が後退しています。逆に日本では緩和継続であるため、日米の金利差は当面縮小しません。このため、引き続き円安傾向が続くと見られています。

日本はゴールデンウイークで3日、6日の東京株式市場は休場です。連休明けに急な値動きになることもあるので注意が必要です。

1日には4月の米ISM製造業景況感指数、3日には4月の米雇用統計も発表されます。このため、週内は様子見傾向になるかもしれません。

為替相場は、口先介入も含めて、介入の警戒感から乱高下することも想定されます。急な値動きに注意したいところです。

為替相場は、口先介入も含めて、介入の警戒感から乱高下することも想定されるため、急な値動きに注意したい。

75日移動平均線に上値を押さえられ軟調

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。足元ではローソク足の実体が75日移動平均線を割り込み、上値を押さえられていたことから、ここを回復できるかどうかがポイントでした。実際には週初22日(月)は、短いながら陽線となり、その後も上昇を続けました。24日(水)にはいったんローソク足の実体が75日線を上抜けました。ただし、週末にかけてまた75日線を割り込んでしまいました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートの形はよくありません。75日線に上値を押さえられ、25日線も下降しています。このままの状況が続くと、25日線が75日線を上から下に抜けるデッドクロスが形成されてしまいます。この展開を変えるにはまずは75日線を奪回したいところです。その後、25日線や心理的節目となる4万円を回復できれば目線を上に持つことができます。

逆にここから、4月19日の安値(3万6733円)、心理的節目となる3万6000円などを割ってくるようであれば、200日線のある3万4000円付近までの下落も見えてきます。まずは3万7000円付近で踏みとどまってほしいものです。

東京市場はゴールデンウイークで参加者が少なくなることも想定されます。もみ合いが続くかもしれません。判断が難しいようであれば、75日線を回復してからの出動でも遅くはないでしょう。

東京市場はゴールデンウイークで参加者が少なくなることも想定される。もみ合いが続く可能性も。

参考資料

  • 日本経済新聞 日経平均株価

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