中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

27日、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会で発表された「『三体』IP海外進出調査レポート」。(北京=新華社記者/陽娜)

 【新華社北京4月30日】中国北京市で27日、2024第8回中国サイエンスフィクション(SF)大会が開幕し、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会が開かれた。会議で発表された多くの成果報告は、中国SF作品の海外での影響力がここ数年次第に高まり、「三体」や「流浪地球」などの作品が国内外で広く普及していることを示した。

 中国SF研究センターと当代中国・世界研究院国際伝播ビッグデータスマートサービスプラットフォームの共同研究による「中国SF海外伝播レポート(2018~23年)」では、中国のSF作品の海外での検索における人気度と、関連する主流メディアの報道数は年々増加傾向にあり、北米とアジアのメディアの中国SFに対する注目度が比較的高くなっている。

中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

27日、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会の会場。(北京=新華社記者/陽娜)

 19年の映画「流転の地球」(原作は小説「流浪地球」)の海外公開、23年の映画「流転の地球 太陽系脱出計画」の海外公開および四川省成都市での第81回世界SF大会の開催などにより、海外メディアの中国SFへの注目が高まった。

 SF映画・テレビのIP(知的財産権)普及状況から判断すると、「流浪地球」のIP普及指数は先頭を切っている。「三体」のテレビドラマシリーズは、「三体」の小説と同様に海外で相当な注目を集め、「三体」はアジア、南北アメリカ、欧州、アフリカの主要国で非常に「ホット」な話題となっていた。

中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

27日、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会の会場。(北京=新華社記者/陽娜)

 中国SF研究センターと中国のIT大手、騰訊控股(テンセント)傘下の調査機関「企鵝有調」プラットフォームの共同研究による「『三体』IP海外進出調査レポート」からは、中国SFの普及が中国の文化と科学技術のイメージ形成や、人類運命共同体理念の伝達にプラスの影響を与えていることが分かった。

中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

27日、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会の会場。(北京=新華社記者/陽娜)

 二つのリポートから、米国とオーストラリアの回答者は中国の科学技術の発展状況により関心があり、日本と英国の回答者は中国の歴史を好み、フランスの回答者は中国の文化観光に強い興味を持つという傾向が示された。また、海外の回答者の多くが中国のSF作品の中に中国の歴史や文化の要素を見ることを好み、3割近い海外の回答者は中国制作のテレビドラマ「三体」を見て中国と中国文化について学びたいと考えていることが明らかになった。(記者/陽娜、楊淑君、薛臣)

中国SF作品、海外での影響力高まる 中国SF大会でリポート発表

27日、2024中国SF研究センター年次総会兼成果発表会で発表された「『三体』IP海外進出調査レポート」。(北京=新華社記者/陽娜)

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