目当てはB級グルメや音楽フェス 中国のメーデー旅行に新風

目当てはB級グルメや音楽フェス 中国のメーデー旅行に新風

甘粛省天水市秦州区にあるマーラータンの店で舌鼓を打つ観光客。(4月4日撮影、天水=新華社記者/馬希平)

 【新華社北京4月30日】中国はまもなく労働節(メーデー)の5連休(5月1~5日)。とっくに旅行の計画を済ませているという人が少なくない。今年は自然や文化のスポットなどを訪れる従来型の旅行に加え、マラソンやコンサートへの参加、B級グルメの堪能を目的とした新たな旅行のスタイルが若者の間で浸透し、休日の旅行消費の持続的成長を促すことになりそうだ。

 ご当地グルメは若者が旅行先を選ぶ上での重要なポイントの一つに躍り出ている。大手旅行サイト「馬蜂窩(マーフォンウォ)」のデータでは、「B級グルメ」が楽しめる目的地の人気度がこの1週間で前週比2.3倍に上昇。メーデー連休のB級グルメ目的地のトップには、タニシビーフン愛好者の熱烈な支持で人気度を2.8倍に高めた広西チワン族自治区柳州市が輝いた。グルメとともに美しい景色も楽しめる浙江省台州市、美食家の四川人も絶賛する四川省楽山市が僅差で続いた。麻辣燙(マーラータン)で根強い人気の甘粛省天水市もトップ10入りした。各地の独特な美食文化は観光客に多様な消費の選択肢を提供しており、グルメ旅行はメーデー連休の主要な旅行スタイルとして定着している。

目当てはB級グルメや音楽フェス 中国のメーデー旅行に新風

江蘇省南京市で開かれた2024南京江豚(スナメリ)音楽フェスの会場。(4月13日、小型無人機から、南京=新華社記者/李博)

 リアルのイベントが再び盛んになる中、コンサートや音楽フェスへの若者の熱意が高まっている。メーデー連休では音楽公演に合わせた旅行も盛んになっている。大まかな統計によると、連休中に全国各地で行われるコンサートや音楽フェスは100回以上。電子商取引(EC)大手アリババ傘下の旅行サイト「飛猪(フリギー)」のデータでは、連休中に音楽公演がある場所周辺の宿泊予約数は前年同期比で倍増した。イベントへの参加を軸に密なスケジュールを組む人も多く、SNS(社交サイト)では「コンサートにはせいぜい2~3日やって来るだけだが、博物館を見学したり繁華街に遊びに行くこともできる」といった書き込みが見られる。音楽イベントで情熱と陶酔に身を任せ、現地の文化や風情を貪欲に味わう旅行スタイルは、ただスターを「追っかけ」ているというよりも、生活への愛を追求している姿というべきだろう。

目当てはB級グルメや音楽フェス 中国のメーデー旅行に新風

湖北省武漢市の武漢長江大橋を走る武漢マラソンの参加者。(3月24日撮影、武漢=新華社配信)

 メーデー連休中は、各地で開かれるマラソン大会も相変わらず人気となっている。5月5日に山東省済南市で開かれる「2024済南奥体ハーフマラソン」は受け付け初日に参加枠がすべて埋まってしまった。マラソンを走ればその街のことが分かる。ある都市がマラソン大会を開くということは有力なIP(知的財産)を形成することであり、その都市の物語や音、イメージを人々が知る重要な窓口をつくることでもある。 

 ランナーはマラソンを走ることでスポーツ大会に参加するだけではなく、その都市が持つ風景や文化を体験できる。劉(りゅう)さんもマラソン大会に参加しながら各地を旅している一人だ。「足を使ってその都市を『測量』し、現地の文化を感じることは、私たちマラソン愛好家にとっても一味違う体験だ」と語る。マラソン大会に参加して都市を走り抜き、レース中にはその自然や文化の景観を味わい、レース後には人気観光スポットを訪れたり地元のグルメに舌鼓を打つのが、若者の新たな旅行スタイルになっている。(記者/楊珏)

© 新華社