ビートルズ解散後の“ジョンとポールの知られざるエピソード”とは?『ジョン・レノン 失われた週末』公開目前!伝説的バンドの魅力を改めて紐解く

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今なお語り継がれる伝説のバンドの魅力に迫る

ザ・ビートルズのファンには周知の事実ながら、本当の事情はよく知られていない、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた「失われた週末」と呼ばれるプライベートな日々。その時期、ジョンはどこで、誰と、どんな生活を送っていたのか。「失われた週末」は本当に“失われて”いたのか――。その真実に迫る奇跡のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が2024年5月10日(金)より日本公開となる。

1962年、社会が大きく変わろうとしている時にデビューし、次々とヒット曲を生み出したザ・ビートルズ。1966年に来日コンサートが行われた日本武道館には1万人以上の若者たちが殺到。2千人もの警察官が警備に出動するなど、まさに時代を象徴する伝説的バンドとなった。1970年に解散してから50年以上経過した今もなお、世界中の音楽ファンから愛され続けている。

今回は『ジョン・レノン 失われた週末』の日本公開を前に、伝説のバンド「ザ・ビートルズ」の魅力を改めて紐解いていこう。

そもそも「ザ・ビートルズ」とは?

ザ・ビートルズ(The Beatles)は1962年にイギリスでデビューしたロックバンド。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人で構成されている。単に一人一人が優れているだけでなく、それぞれが持つ天才的な才能と、それを組み合わせた時のシナジー効果が彼らを歴史に名を刻むバンドへと押し上げた。型にはまらない独自のスタイルは世界中を魅了し、音楽界に留まらず若者文化、ファッション、政治・経済にまで大きな影響を与えたと言われている。

【ジョン・レノン】

ビートルズのリーダー。リズムギターとボーカルを担当する。ポール・マッカートニーと「レノン=マッカートニー」としてソングライティングチームを組み、ビートルズの大半の楽曲を創作した。解散後はアメリカを主な活動拠点としてソロ活動を続け、「Imagine」などの名曲を生み出した。また妻で芸術家のオノ・ヨーコと共に平和運動も積極的に行った。1980年12月8日、ニューヨークの自宅アパート「ダコタ・ハウス」前でファンの凶弾に倒れ永眠。享年40歳。

【ポール・マッカートニー】

ベース担当で今も尚一線で活躍するミュージシャン。メロディーメーカーとしてビートルズの「イエスタデイ」など数々の名曲を生んだ。メロディアスな楽曲からハードなロックナンバーまで幅広く手掛けている。2012年のロンドン五輪開会式では代表曲「Hey Jude」を披露し全世界からの注目を集めた。『ジョン・レノン 失われた週末』では、ビートルズ解散後のジョンとの再会など知られざるエピソードが紹介されている。

【ジョージ・ハリスン】

リードギター担当でビートルズの中では最年少のメンバー。独自のギタープレイとインドなどの東洋の音楽を西洋に持ち込んだジョージの功績は、その後のロックの可能性を大きく広げたと言われている。特に「While My Guitar Gently Weeps」や「Something, Here Comes the Sun」といった楽曲はレノン=マッカートニーの作品と並んでファンから支持されている。2001年11月29日に永眠。享年58歳。

【リンゴ・スター】

ドラム担当。ジョン、ポール、ジョージの3人で構成されていたデビュー前のビートルズに後から加入したメンバーで、ビートルズの解散後もメンバーそれぞれと交流をもっていた。抜群のドラムの技術だけではなくそのキャラクター性でバンド内でも愛された。『ジョン・レノン 失われた週末』では、ジョン・レノンのプロデュースとなる「グッドナイト・ウィーン」のレコーディングシーンが紹介されている。

ビートルズ「解散後」のポール&ジョン

ロックンロール、ポップ、フォーク、サイケデリックなど、多様な音楽のジャンルを探求し、その都度新しい音楽を生み出してきたビートルズ。キャッチーなメロディと、愛や希望、苦悩などの普遍的なテーマを取り上げたメッセージ性の強い歌詞は人々の心を掴み、世代を超えて愛されるビートルズの魅力のひとつとなっている。特にポール・マッカートニーとジョン・レノンの奇跡のパートナーシップ「レノン=マッカートニー」の名義で生み出された名曲の数々は、音楽界にとってかけがえのない宝だ。

しかし、1970年にビートルズは正式に解散することとなる。多くの要因が重なったことによる“解散”と言われているが、ジョンとポールの間で音楽的方向性やバンドの運営に関する意見の相違が生じたことや、ジョージ、リンゴも独自の音楽性を追求するようになり、バンド内での意見の一致が難しくなっていたことが理由であると考えられている。

それぞれが対立するかたちで解散したビートルズだが、「失われた週末」の18カ月の中で彼らは再会を果たし、再び交流をもつことができた。ポール・マッカートニーはインタビューでジョンと再会した当時のことを問われると、「もし再会していなかったら、本当に心の痛みになっていたと思う」と振り返り、亡きジョンへ思いを馳せた。

ビートルズが世界に遺した功績

ビートルズはCD/レコードの総売上枚数が10億枚以上、そして1964年4月のビルボードヒットチャートで「Can’t Buy Me Love」、「Twist And Shout」、「She Loves You」、「I Want To Hold Your Hand」、「Please Please Me」の5曲が1~5位までを独占するという未だ破られることのない記録を保持し続けている。毎週順位が入れ替わる中、彼らは僅か7年半の活動期間中にこの偉業を成し遂げた。ザ・ローリング・ストーンズやザ・ビーチ・ボーイズ、さらには音楽界で初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランや、かのエルヴィス・プレスリーら錚々たるミュージシャンたちが楽曲をリリースする中での輝かしい記録である。

彼らが後世に与えた影響は音楽界に留まらない。Apple創業者のスティーブ・ジョブズもビートルズからインスピレーションを受けていた一人で、彼が立ち上げた<アップル>は、ビートルズが1968年に設立した会社<アップル・コア>に由来していると言われている。他にもビル・ゲイツなど、多くの著名人がビートルズの音楽から影響を受けていることを公言しており、ビートルズが生み出した革新的音楽スタイルはミュージシャンの礎を築き、年代・人種を越えて聴き継がれているのだ。

そんなビートルズの解散後、ジョン・レノンが妻オノ・ヨーコと別居していた期間の真実に迫るドキュメンタリー映画が『ジョン・レノン 失われた週末』だ。解散後のソロキャリアで最も音楽的に花開いた時期といわれている、18カ月に及んだ「失われた週末」とは――? 解散以降のビートルズメンバーとの再会も貴重な証言と写真の数々と共に語られる、ファンならずとも見どころ満載の作品だ。

『ジョン・レノン 失われた週末』は2024年5月10日(金)より角川シネマ有楽町、シネクイント、新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー

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