同年代の家庭はどのくらいの金融資産を保有しているの? 世論調査に見る平均像とは?

金融資産保有額の平均は1758万円(二人以上の世帯)

世帯主の年齢別に、金融資産保有額をまとめたものが、図表1です。金融資産を保有している世帯の保有額の平均は、「二人以上の世帯」で1758万円、「単身世帯」で1492万円となっています。

金融資産を保有していない世帯のデータはこの統計に含みませんが、全国で「二人以上の世帯」であれば24.7%(約4分の1)、「単身世帯」で36.0%(約3分の1)程度が、金融資産を保有していないと分かります。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成

保有している金融資産の内訳(二人以上の世帯)

金融資産を保有している「二人以上の世帯」について、保有金融商品別に内訳をまとめたものが、図表2となります。

分類は、「預貯金」(定期性預金、金融信託を含む)、「生命保険等」(生命保険、損害保険、個人年金保険)、「株式等」(株式、債券、投資信託)、「その他」(財形貯蓄、その他金融商品)の4つとしています。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成

地方別に保有額が高いのは「四国地方」(二人以上の世帯)

地方別の金融資産保有額をまとめたものが、図表3です。圧倒的に保有額が高いのは四国地方となっており、商品別に見ても、預貯金や株式等の金額が、全国で最も高くなっています。

さらに、県民性や気風などが大いに影響していると思われますが、以前より特に香川県と徳島県の貯蓄額が高いといわれています。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成

なお、少々興味深い結果ですが、「単身世帯」の場合には、四国地方が最も低い保有額となっています。

借入金の平均は1496万円(二人以上の世帯)

借入金がある世帯について、世帯主の年齢別にまとめたものが、図表4です。借入金がある世帯の平均は、「二人以上の世帯」で1496万円、「単身世帯」で346万円と、両者に大きな差があります。

また、借入金がない世帯は統計に含みませんが、その割合は「二人以上の世帯」で80.6%(約8割)、「単身世帯」で87.4%(約9割)となっており、借入金がある世帯は明らかに少数派となっています。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「令和5年(2003年) 家計の金融行動に関する世論調査」より筆者作成

まとめ

ひとつの事例として、退職が想定される60歳代(二人以上の世帯)の平均像は、2588万円の金融資産を保有し、1099万円の借入金がある世帯となります。

この金額はあくまでも平均額ですので、参考程度にとどめておくことを推奨します。世の中には平均額の数倍、数十倍、それ以上の金融資産を保有している人も多数ありますので、平均額を上回るなどの影響が生じる傾向があります。

それぞれの家族構成や将来的なライフイベントを考慮したうえで、あまり背伸びすることのない計画を考えてみましょう。

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査

執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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