【J1リーグ2024】頭角を現したルーキー5選。パリ五輪出場もある?

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2024明治安田J1リーグは一部のクラブを除き第10節までの日程が終了。昨2023シーズンのJ2を制し、今季クラブ史上初となるJ1へ挑んでいる町田ゼルビアが快進撃を見せ首位争いを繰り広げる序盤戦となっている。そんなJ1リーグにおいて、順位を問わず各クラブの重要な戦力として頭角を現し始めているのが今季ルーキーイヤーとなっている選手たちだ。

昨シーズンもDF中野就斗(サンフレッチェ広島)やDF福田心之助(京都サンガ)など多くのルーキーたちが出場機会を掴み活躍を見せた。今季も彼らに続き、シーズン序盤から機会を得て躍動する選手が多く登場している。

ここでは今季正式加入したルーキー選手の中から、パリ五輪への出場も含め今後の活躍が楽しみな5名を紹介していく。


植村洋斗 写真:Getty Images

植村洋斗(ジュビロ磐田)

昨シーズン限りで引退した遠藤保仁の背番号「50」を背負いルーキーイヤーを戦うMF植村洋斗。ジュビロ磐田に特別指定選手として在籍した昨季はリーグ戦の出番がなかったものの、今季は開幕戦からスタメンに抜擢。以来9試合に出場し、攻守それぞれで見せ場を作っている。

第2節の川崎フロンターレ戦では打ち合いの口火を切る先制点でプロ初ゴールをマーク。守備でもFWマルシーニョ(川崎)やMF汰木康也(ヴィッセル神戸)といったJリーグ屈指のドリブラーを相手に粘り強い対応を見せるなどルーキーとは思えないほどの頼もしい姿を披露している。現在チームは12位と中位にいるが、まだまだ1つの勝敗で大きく順位に影響が出る時期。浮上のきっかけを掴むためにも、植村の攻守両面における貢献はますます必要不可欠なものとなっていくことだろう。


重見柾斗 写真:Getty Images

重見柾斗(アビスパ福岡)

昨季はYBCルヴァンカップでの優勝だけでなく、リーグ戦でも過去最高の7位と躍進したアビスパ福岡。今季はさらに上の順位を目指すべくスタートを切ったが、ここまで敗戦こそ少ないものの勝ちきれない試合も多く現在13位と歯がゆい序盤戦を過ごしている。そんな福岡の浮上のキーマンとも言えるのが、大卒ルーキーのMF重見柾人だ。

昨シーズンの特別指定を経て正式に加入した今季、開幕以降リーグ戦9試合に出場。中盤でのボール奪取や機を見て積極的に前で攻撃に絡むなど、持ち味を存分に発揮して攻守に存在感を示している。第2節の横浜F・マリノス戦ではサイドまで出ていき決勝ゴールをアシストするなど勝利に大きく貢献。まさに重見の運動量と積極性が活きたゲームだったと言えよう。

昨季はクラブ史上初のタイトルを獲得したことで、チームに対する期待も大きくなっている今シーズンの福岡。そんな重圧の中で早くも多くの出場機会を得ているルーキーが、今後どんな成長を遂げるのか注目したい。


関根大輝 写真:Getty Images

関根大輝(柏レイソル)

現在カタールで行われているAFC U-23アジアカップ2024のメンバーとしても活躍しているDF関根大輝。昨シーズンも特別指定選手として柏レイソルに在籍し、リーグ戦での出場機会はなかったがカップ戦でプロデビューを飾っている。

当初は2025シーズンより正式加入の予定だったが、1年前倒して今季より正式加入。U-23代表招集前の第7節まではリーグ戦全試合にスタメン出場し、昨年低迷してしまったチームの立て直しに一役買っている。

安定感のある守備での貢献はもちろんのこと、機を見た攻撃参加でも持ち味を発揮。豪快なミドルシュートも披露するなど、初ゴールへの期待も日増しに大きくなってきている。ルーキーイヤーから定位置を掴んでいるだけに、世代別代表としての経験も糧としてさらなる成長を期待したいものだ。


濃野公人 写真:Getty Images

濃野公人(鹿島アントラーズ)

名門鹿島アントラーズで開幕からスタメン出場を続けるDF濃野公人。積極的な攻撃参加からの質の高いクロスや出足の鋭い守備でチームを支えている。第8節の京都サンガ戦では、決勝点にもなったプロ初ゴールをマーク。続く第9節のサガン鳥栖戦、第10節のガンバ大阪戦でもゴールを挙げており、3試合連続得点で存在感が一気に増した印象だ。

鹿島は今季ここまで5勝1分4敗と、連勝こそあるものの今一つ波に乗り切れない序盤戦を過ごしている。とはいえ、この冬ヴィッセル神戸へと移籍したDF広瀬陸斗や、昨夏に欧州へ渡ったDF常本佳吾が務めた右サイドバックのポジションを大卒ルーキーが見事に穴埋めしていることは好材料と言える。まだまだ長いシーズン、名門復権のため躍動する濃野の働きに注目だ。


倍井謙 写真:Getty Images

倍井謙(名古屋グランパス)

開幕から3連敗とスタートダッシュに失敗した2024シーズンの名古屋グランパス。しかし、その後は3連勝も含む6戦負けなしと急激に調子を上げ、直近の浦和レッズ戦では敗れたものの上位争いに食い込んでいる。そんな名古屋期待のルーキーがMF倍井謙だ。

昨シーズンは特別指定選手としてカップ戦で公式戦デビューを果たした倍井。今季はここまで8試合出場と、途中出場も多いが主力としてチームに貢献している。特徴はなんといってもそのドリブルスキルの高さ。わずかな隙間でも縫うように敵陣深くへ侵入可能なテクニックに加え、エリア内であっても冷静な切り返しを見せるなど見るものを魅了する技術は一級品。

第8節のジュビロ磐田戦で待望の初ゴールを挙げたが、一方で退場という苦い経験も得た。しかし、この貴重な初ゴールは確かな自信につながったはずだ。今後スタメンでの出場機会も増やし、ますます勢いあるドリブルを見せてくれるだろう。

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