余裕の王者モロニー陣営 武居由樹に「ロマチェンコのような動きはない」

チャンピオンベルトを手に意気込むジェイソン・モロニー

ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニー(33=オーストラリア)が30日、挑戦者の同級5位・武居由樹(27=大橋)との2度目の防衛戦(5月6日、東京ドーム)へ向けた練習を公開。モロニー陣営はK―1王者からボクシングに転向した武居のスタイルが変則的ながらも、ウクライナの3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコほどではないと見なし、「向こうが警戒することだ」と余裕を見せた。

28日に来日し、「これまでにない最高の準備を整えて来ることができた。完璧なコンディションで試合ができる」と調整に手ごたえを感じているモロニー。「ここに来て、自分のやることはただ一つ、タイトルを防衛すること、勝利を確信すること」と自信を示した。

デビュー8連続KO勝利中の武居を「爆発力とスピードがある。キックボクシングがバックグラウンドであるので、ボクサーとは違う距離の取り方も含めて準備をしてきた」と評し、WBA世界バンタム級3位の堤聖也(角海老宝石)ら3人の日本選手をスパーリングパートナーに対策を重ねてきたという。「普通とは違ったパンチが来ると思う。集中力を切らさずに戦わないといけないが、集中力はある方だと思っている」と勝負のカギを挙げた。

また、トレーナーのアンジェロ・ハイダー氏は「彼はハイスピードのいいパンチャー。アメリカンスタイル、メキシカンスタイル、体格差もものともせずに合わせて、勝ちを挙げてきた」とモロニーのスタイルを説明。「武居は伝統的なボクシングの基礎は持っていないが、生まれ持った格闘の才能を持っている」と話しながらも、「彼はロマチェンコのように角度をつけたりウサギのように飛び回るなどのトリッキーな動きはない。ジェイソンの方がレベルが高い。こちらが警戒するのではなく、向こうが警戒することだ」と不敵な笑みを浮かべた。この日のモロニーは報道陣にシャドーボクシングを1ラウンド披露しただけだった。

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