3月求人倍率 岡山1.48倍 横ばい、物価高で企業経営を圧迫

 岡山、広島、香川労働局は30日、3月の有効求人倍率(季節調整値)を発表した。岡山県は前月と同じ1.48倍。物価高が企業経営を圧迫し、求人活動が活発化しにくい状況が長引いており、岡山労働局は「新型コロナウイルス禍による悪化からの持ち直しの動きに足踏みが見られる」との基調判断を維持した。

 全国平均は前月比0.02ポイント上昇の1.28倍。広島県は0.01ポイント上昇の1.54倍、香川県は前月と同じ1.41倍だった。都道府県別では福井が1.80倍で1位。岡山は7位、広島は4位、香川は12位だった。

 岡山県の新規求人数(原数値)は1万4619人(前年同月比7.0%減)で、6カ月連続の減少。有効求人数は4万4382人(6.4%減)と、9カ月連続で減った。

 産業別の新規求人は、運輸・郵便業のみ増え12.2%増加。物流業界に残業規制が適用され、運転手不足が懸念される「2024年問題」に備える動きがあった。卸売・小売業は17.8%減で、大手スーパーなどの出店ペースが落ちたことが影響。宿泊・飲食サービス業は、コロナの5類移行に伴い求人が活発化した昨年の反動があり、17.4%減となった。

 新規求職者数は6265人(6.5%減)と2カ月連続で減少。有効求職者数は2万9252人(0.7%減)と5カ月ぶりに減った。人手不足により、企業が人材を囲い込む動きがみられたという。

 雇用保険の資格喪失者は7275人で、うち解雇されたのは374人(21.0%増)。解雇率は5.1%だった。県内8公共職業安定所の求人倍率(原数値)は岡山、高梁が上昇し、他は低下した。

 広島県は有効求人数6万9904人、有効求職者数4万4784人。香川県は有効求人数2万3870人、有効求職者数1万6607人。

 パートを除く正社員の有効求人倍率(原数値)は岡山県が前年同月から0.04ポイント上昇の1.28倍。広島県は1.24倍(0.08ポイント上昇)、香川県は1.17倍(0.07ポイント低下)だった。

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