近年増加する、「働く女性」の不倫。今回、取り上げるのはメガバンクで働く、ハイスぺ女性の美咲さん(仮名・29歳)。夫との生活もすれ違い、パワハラ上司に悩んでいたところ、同じ銀行の哲也さん(仮名・40歳)と不倫をする中で、「意外な場所」を提案された話をご紹介します。
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不倫相手から提案された、意外な場所とは!?
「『金庫でシよう』と言われた時、始めは耳を疑いました」
銀行の支店には「金庫」と呼ばれる、十畳ほどの部屋があります。本棚がずらりと並ぶ、図書室のような空間です。小切手や契約書の原本の他、「捨てたら問題になりそうだから、とりあえず金庫に入れて置こう」という雑多な書類が格納されています。そこは二重ロックがかかり、開けるのに二人を要し、暗証番号も入力しなくてはなりません。
金庫は扉が閉まると自動的に施錠され、他の人が来たときに外から開けるためには解錠が必要になります。
解錠をしようとすると大きな音が鳴り、完了までそれなりに時間がかかります。入口から離れた場所で、本棚に隠れて事を行っていれば、解錠されるまでに服を整えて元の状態に戻れます。防犯も防音も完璧な場所は、確かにさっさと事を済ませるにはぴったりの場所でした。
もちろん金庫に入れるのは、業務中のみ。彼にとっても業務外の時間を使わなくて済むし、お金も出て行かないし、打って付けの場所でした。水を得た魚のように身体を求めてくる哲也さんに反して、美咲さんの気持ちは冷めて行きました。
「ちょうどパワハラ上司が異動したんです。新しい上司は穏やかで、仕事にも慣れてきました。同僚とも仲良くなり、哲也さんがいなくても楽しく生きられるようになりました」
そんな美咲さんの心を見抜いたのか、哲也さんは思いもよらない行動をするようになりました。
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冷めていく彼女に、焦った彼が取った行動
美咲さんの変化に焦りを覚えた哲也さんは、オフィスですれ違いざまにキスをしてきたり、業務用PCを使ったメールで愛の告白をしてきたり、人目をはばからない行動が目立つようになってきました。
そんな彼に頭を悩ませるものの、誰にも相談できません。そもそも銀行では行内恋愛はご法度で、ばれたらすぐに地方の小さな支店へ左遷されます。不倫ときた日には、文書管理センターなど、そもそも人と接点が少ない場所へ左遷されます。
美咲さんは「恋愛は戦争のようなものである。始めるのは簡単だがやめるのは困難である」という名言を、ひしひしと痛感することになりました。そんな中で、終わりは突然やってきました。哲也さんが異動になったのです。「正直、ほっとしました」と美咲さんは言います。
油断していた彼女は、彼から休日デートに誘われましたときも快諾してしまいました。「奥さんと子供たちが実家に帰省している」と聞いていたし、何より待ち合わせ場所は愛宕グリーンヒルズでした。久々のデートらしいデートに、美咲さんは心が躍ったと言います。
しかし、彼女は忘れていました。子持ちの男性行員には、例え時間ができても、お金がないことを。
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デートかと思いきや、彼に連れていかれた先は……
愛宕グリーンヒルズで待ち合わせたものの、向かった場所はレストランではありませんでした。手を引かれて行った場所は、なんと多機能トイレ。「確かに広いし清潔だけど、さすがにここでは……」と躊躇する美咲さんにお構いなく、哲也さんは求めてきました。
「最後は散々でしたが、当時は不倫に助けられたのも事実です」と美咲さんは言います。「そもそも下心がないと、ある程度の経験を積んだ女性を助けよう、なんて思わないんですよね。もう新人じゃないし」。
人生にはいつだって、助けを必要とする時期があります。年齢や経験によらず、働く女性にとっても同様です。最も助けを必要としているのは、「優秀な貴女なら、何でもできるでしょ」というプレッシャーの元で声を上げることができない、ハイスぺ女性なのかもしれません。
本記事はリバイバル配信です