Blackmagic Design導入事例:Dream Street Productionsの場合

Blackmagic Designによると、Dream Street Productionsの創設者であるスコット・ブラウン氏が、ATEM Television Studio HD8 ISOライブプロダクションスイッチャーやBlackmagic URSA Broadcast G2などを組み込んだBlackmagic Designのワークフローを導入し、同社をオーディオビジュアルおよび映像プロダクションから、バーチャルライブ配信イベントの企業へと成長させたという。

Dream Street Productionsは、コネチカット州に拠点を置く映像プロダクションおよびポストプロダクションスタジオ。電気通信から製薬会社、そしてアメリカの5本の指に入るハイテク企業まで、多くの企業クライアントを抱えている。ニューヨークシティでテレビ番組制作とニュース編集部での経歴を持つブラウン氏は、20年前にDream Street Productionsを設立して以来、変化を続ける制作環境に常に適応してきた。

この業界で20年、着実にビジネスを成長させることができたのは、マインドセットとツールセットの柔軟性を保つことができたからだとブラウン氏は考えているという。ブラウン氏は次のようにコメントしている。

ブラウン氏:この柔軟性のおかげで、あらゆるプロジェクトのニーズを満たすことができます。もし何かのやり方がわからなければ調べ、もしクライアントが何かを要望すれば、それに応えます。技術面では、私のワークフローはBlackmagic Design製品に支えられています。Blackmagic Designのツールは、全てのジョブをサポートしてくれています。

例えば、最近タウンホールで行われたイベントでは、クライアントは自分たちでカメラマスターを編集してプログラムマスターよりも短くできるよう、カメラを個別収録したいと望んでいたのですが、ATEM Television Studio HD8 ISは、この収録オプションに対応しています。カメラにメモリカードを差し込んで、全カメラを同期するためにタイムコードを入力するよりも良いですね。

クライアントから特に要望がなければカメラで収録する必要もありません。多くのクライアントは、HyperDeckへの収録で十分事足ります。その点、ATEM Television Studio HD8 ISOのメディア管理は非常に簡単です。ATEMへの入力はすべて収録されてフォルダに入るので、イベントの最後にクライアントに手渡すだけです。

またブラウン氏は、ATEM Television Studio HD8 ISOのカウンターオーバーレイ機能を、スピーカー用のタイマーとして使用しているという。

ブラウン氏:このおかげで、高価な機材をひとつ減らすことができました。またパネルを使用すれば、その場でバックグラウンドの色を黒から赤に変えたり、時間切れの際に緑から赤に変えたりすることもできます。本当に素晴らしい機能だと思います。

Blackmagic URSA Broadcast G2を組み合わせることにより、ブラウン氏のワークフローはさらに効率アップした。

ブラウン氏:カメラコントロール、トークバック、タリーなど、ハイエンドのファイバーシステムに必要な機能がすべて搭載されており、カメラに接続した2本のSDIケーブルですべて送信できます。

カラーコントロール、カメラのペインティングおよびマッチングは素早く簡単に実行できます。さらに、B4レンズマウントでは、大きな箱型レンズなど、事実上すべての放送用レンズを使用できます。Blackmagic URSA Broadcast G2を選択した理由は、所有しやすい価格だったことだけでなく、継続的なファームウェアサポートとアップグレードにより、カメラにより多くの機能を追加していけることです。すべてが1つの完全なエコシステムになっていることが、Dream StreetがBlackmagicの機材に多大な投資をしている理由です。

ブラウン氏は長年Blackmagic Design製品を使用しており、ATEM Miniライブプロダクションスイッチャーで基本を学んできた。クライアントのイベントのニーズがより高度になっていくにつれ、ATEMライブプロダクションスイッチャーシリーズ内でアップグレードしていくことが簡単だと考えたという。

ブラウン氏:バーチャルイベントが主流になると、クライアントはより多くのオプションを要望するようになり、私たちの仕事はより忙しくなりました。当時クライアントは、SuperSourceのバックグラウンドと複数のウィンドウでカスタマイズした、よりテレビに近いルックを希望するようになっていました。ATEM Miniではこれら全て、そしてそれ以上のことを実現できることに気付き、Blackmagic製品の真のパワーを初めて実感しました。信じられない思いでしたね。

イベントがさらに複雑になってくると、より多くのスクリーンや別々のストリームを使用するようになったり、あるいはテクニカル・ディレクターが2人いて、1人はIMAGフィードの編集、1人は配信の編集を行ったりするため、より多くの機能やM/E列が必要になりました。

コロナが開けると状況が全く変わりました。ライブの対面イベント、配信、それらのハイブリッドなど、複数のオプションを提供しなければなりませんが、Blackmagic DesignのATEMは、あらゆる面でサポートしてくれました。

ブラウン氏は以前ニュース制作の現場で仕事をしていたが、バーチャルプロダクションのライブイベントにおける入出力を学ぶ必要があった。

ブラウン氏:放送プロダクションについて様々なことを調べ始めて、テクニカル・ディレクターの立場から理解することができました。プロデューサーやディレクター出身なので、私は常にして欲しいことを人々に伝えることは得意でしたが、それらのルックを作り出すということは全く別の話です。 スタジオで学び、練習することに時間を費やし、そしてATEMソフトウェアのコントロールサーフェスのデザインの虜になりました。非常に使い勝手がよく、直感的なデザインです。すぐにこの製品を使用するようになり、それ以来ずっと使い続けています。

企業のイベントは、従来の放送環境とは少し異なるが、Blackmagic Design製品は彼のニーズにも適しているとブラウン氏は言う。例えば、同氏はプリプロダクションの段階でクライアントと緊密に協力し、それぞれがスピーカーに何を求めているかを正確に把握し、必要に応じてマクロを構築する。そのため、現場に着いた時にはリハーサルの準備ができており、サプライズの要素はない。

ブラウン氏:あらかじめプランを立てており、マクロも用意しているので準備は万端です。現場でマイナーな調整を素早く行う必要がある場合、それは一つのマクロの収録の問題であり、すべてのイベントを作り直さなければならないことはありません。イベントごとにマクロを保存・呼び出しできる機能には本当に助けられていますね。

イベントのタイプに応じてクライアントにマスタープロファイルを作成し、その後次の年にもそのイベントを収録するのであれば、3日分のプリプロダクションを保存しておきます。そのイベントをリロード/復元すれば、次のイベントのニーズに応じて調整することができるからです。これで時間を大幅に節約できます。

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