和算の祖、関孝和の肖像画の原画か、福井市の民家に保管 福井大学の図書館で公開

福井県福井市の民家に伝わった関孝和の肖像画。天保8(1837)年、鯖江藩士が描かせた

 江戸時代に世界レベルの研究をした数学者、関孝和の肖像画が福井大学総合図書館(福井県福井市文京3丁目)で公開されている。孝和の肖像画は2系統が知られているが、その1系統の原画とみられる貴重な資料。福井市の民家に保管されてきており、これまでほとんど公開されたことはなく、福井県内では初めてという。同図書館では関らによって日本で独自に発展した「和算(わさん)」に関する資料も合わせて展示している。5月8日まで。

 関の肖像は旗本クラスの武士の正装である素襖(すおう)着用姿。上方に「日下開算 関新助孝和先生之像」と書かれ、軸装されている。富山県の射水市新湊博物館に、これより後に描かれたとみられる同様の構図の肖像画がある。また、構図が違う羽織袴(はかま)姿の肖像画を岩手県の一関市博物館が収蔵している。

 福井大図書館は、岩波書店が昨年発刊した「関孝和全集」を購入したことから展示会を企画。肖像画を借り、展示コーナーで公開している。受付で申し出れば学外の人も見学できる。会期中は無休。

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