富岳に勝ったら3.8億円相当の賞品?ニコニコ超会議でスパコンと勝負 理研

研究者を目指す若者を増やそうと理化学研究所は27~28日、千葉市美浜区の幕張メッセで行われた「ニコニコ超会議2024」で、スーパーコンピューター「富岳」と来場者が計算力で勝負するイベントを実施した。

来場者はタブレット端末を用いて一ケタの数字の足し算を10秒間で何問正解できるかに挑戦した。もし富岳の記録を超えられたら富岳を1日使い放題にできるチケットをもらえる。

「24時間使い続けたら3.8億円に相当する」(理研計算科学研究センター運用技術部門・庄司文由部門長)という超高額賞品だが、人間では10問正解するのがやっと。その間に世界4位(23年11月時点)の計算速度を誇る富岳は442京回(京は兆の1万倍)も正解するのだから勝てるはずもなく、挑戦者らは口々に「無理ゲーでしょ…」とこぼした。12問以上正解した成績優秀者はブースに名前を貼り出されて表彰された。

富岳の模型(中央)を設置した理研のブース

ユニークな企画の背景には研究者不足への危機感がある。理研神戸事業所計算科学研究推進室の西之園真一氏は「若い世代にスパコンのことを知ってほしい。将来、研究者を目指すきっかけになってくれれば」と狙いを話した。同イベントでは高校生・高専生を対象としたプログラミングコンテストや富岳を使った気象シミュレーションの講演などを行い、スパコンを若者にアピールしたとしている。

また、小さい頃から数字と計算に親しんでほしいという願いを込めて小学生でも楽しめる計算クイズにしたというが、西之園氏は「親世代の方にも楽しんでもらえたようだ」と“計算違い”に笑みをこぼしていた。

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